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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その48

b0083728_17563168.jpg個人的経験:
今回のジャケットは、
「ます」ではないが、
中の解説を読むと、
「ます」のことが書いてある。

さて、前回も紹介した、
デムスに「ます」のLPが、
コンツェルトハウス四重奏団の
59年の録音だとしたら、
これは、その翌年の記録となる。

つまり、1960年、日本を訪れた彼らは、
日比谷公会堂で、一つの特別演奏会を行い、
それに関連して、NHK用の放送録音を残した。

このCDは、こうした機会に、
モーツァルトのピアノ四重奏曲と、
ブラームスのピアノ五重奏曲を、
NHKのために録音した演奏を、復刻したものなのだ。

この解説を読むと、次のようなことが書かれている。

「ウィーンの音楽家たちの来日はそれ以前にもあったが、
演奏回数の多さから言えば、
ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のそれに及ぶものはなかった。」

50年代の多くのレコード録音で、
日本でも、有名になっていた彼らは、
大変な歓迎を受けたようだ。

さらに、偶然だったのだろうか、かつてベストセラーを記録した、
「ます」の共演者、ピアニストのバドゥラ・スコダが来日しており、
離日直前になって、11月26日(土)6:30から、
「ピアノ五重奏曲の夕べ」が催されたというのである。

こう聴いただけで、
私は、その11月26日に、心が飛んでいってしまいそうだ。

そこでは、このCDに入っているモーツァルト、ブラームスに続き、
最後に、何と、「ます」の五重奏曲が演奏されたとある。

ベストセラーのレコードが、
演奏家もほぼそのままに、日本で実演されるというわけだ。
これは、確かに、すごい期待が集まったはずだ。

このCDには、同じ日付での録音とある。

「NHKスタジオにて」、と書かれているので、
彼らは、同じ日に2回、これらの曲を弾いたのであろう。
しかし、NHKは、「ます」は放送しようと思わなかったのか、
あるいは、すでにレコードがあるから必要ないと考えたのか、
シューベルトの録音はしなかったようだ。

その演奏会はチケットが全て売り切れで、
それでもつめかけた人のために、
補助椅子を出したばかりか、
ステージ上にも席を設けたと、
このCDの解説には書かれてある。

すごい熱気だったことが読み取れる文章である。
ますますもって、心が、日比谷に飛んでいく。

解説者は、最初のモーツァルトが終わった時の、
会場全体の異様な雰囲気を、
さらに述懐しているが、
確かに、ここに聴くモーツァルトの典雅な雰囲気は、
筆舌に尽くしがたい。

録音が古くなったと、注意書きがあるが、
まったく気にならないレベルではないか。

解説に戻ると、
「ます」の演奏でも、
「ういういしいバドゥラ・スコダのピアノ」、
「カンパーの陶酔的なフレージング」に感動したとある。

こうなると、この日に演奏された「ます」がどんなものであったか、
そこが気になるが、前年に、グラモフォンに録音されたLPが、それを、
代弁してくれているかもしれない。

そう考えてみたわけである。

もちろん、ピアノは、日比谷のスコダではなく、
LPではデムスであるが、
同じ年代のウィーンのピアニストであり、
カンパー、ワイス、バインルの3人の弦楽は、
同様に鳴り響いたことであろう。

実に、このCDにおけるモーツァルトの四重奏曲も、
この3人によって弾かれているのだが、何という音色であろうか、
鳥の羽でくすぐられているような、聴覚以外の感覚すら呼び覚ます。

初めて耳にした時、
ト短調という、激しい調性を持ったこの曲のイメージが、
一転したかのように思った。
解説にある異様な雰囲気も想像できる、不思議な吸引力を持った、
甘味な虹色の心安らぐ音楽である。

シューベルトもまた、同様であったと思われる。
実際、グラモフォンに前年に行った「ます」のレコードにも、
この不思議な懐かしさは漂っている。

さらに注目すべきは、
放送局のみならず、日本のレコード会社も、この絶好の機会を逃さず、
いくつかのレコード録音を残すことができたことである。

b0083728_1812691.jpgハイドンの「セレナード」、
モーツァルトの「狩」、
シューベルトの「死と乙女」、
ドヴォルザークの「アメリカ」など、
弦楽四重奏曲の
名曲一覧のような曲目を、
ここぞとばかりに
集中録音したようだ。

彼らが、いかに待たれていたかが、
こんな記録から感じ取る事が出来る。

b0083728_1815114.jpg今回、改めて、
これらのレコードを
聴いて見たが、
「死と乙女」など、
文字通り、
予想を絶して感服した。

あのト短調の
モーツァルトと同様、
このニ短調の音楽が、
これほどまでに、
柔和で、
懐かしい表情を
持っているとは思わなかった。

日本でのステレオ録音が、その豊かさを増している。
モノラルのウェストミンスター盤も、忘れがたい演奏で、
LPも持っていたし、CDも何度か買い換えたが、
これほどまでの豊かさを感じることはなかった。

黄金時代から二人も、メンバーが代わってからの演奏であるが、
特に不満はなかった。

長らく、この時代のコンツェルトハウス四重奏団の演奏は、
なんとなく買う気の起こらないジャケットのせいもあって、
まじめに聴く気にならなかったが、
このNHK音源のCD化によって、急に見方が変わって来た。

このCDのジャケットも、モーツァルトの肖像だけという、
不思議なものであるが。

しかし、長々と引用したように、このCDの解説は、
当時の記録を生々しく留め、非常に読み応えのあるものになっている。

その世紀の演奏会に、実際に聴衆として、
参加していた人の書いたものであるから、
これ以上の人選はないかもしれない。

できれば、こうした企画を実行した人や、
NHKの担当者の言葉なども集めて欲しいものである。
45年前のことであるから、
まだまだ、貴重な証言が得られるのではないだろうか。

あるいは、デムスもスコダも、頻繁に日本を訪れているので、
今は昔の人たちになった、この四重奏団の思い出を、
何かの機会に書いてくれないものだろうか。

得られること:「かっこ悪いジャケットの中にも、それに見合わない演奏が含まれていることがある。」
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by franz310 | 2006-12-09 18:12 | 音楽
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