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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その45

b0083728_11572381.jpg個人的経験:
前回、
「併録されているものが違ったら、
同じ演奏のものを入手しても、
何が悪いだろう」などと、
都合の良い理屈を書いているうちに、
自己暗示だか
自己催眠にかかったのであろう。

またまた同じ録音を購入してしまった。

何しろ、これまで、
EMIで発売されていた
アマデウスの「ます」は、
フランス盤も、オランダ盤も、カナダ盤も、
まともに演奏者についての解説がなかった。

新星堂や、アメリカのマイナーレーベルが、
愛情を込めて古い録音を扱っているのに対し、
しょせん、大企業は、こうしたお座なりの商品化しか
出来ないのだろうか。

忘れられていたロスタルのヴァイオリンの演奏が、
英国のテスタメント・レーベルで復刻され、
しかも、丁寧な解説が載っていることを知ると、
アマデウスの「ます」の復刻が
このレーベルからもなされているのを、
黙って見過ごすことが出来なくなってしまった。

おそらく、この録音がなされた背景なども、
解説に書かれているはずだ。
何しろ、テスタメントとは、「立証」とかいう意味である。
そう考えると、居ても立ってもいられなくなってきた。

私は、アマデウス四重奏団には、特別の愛着を持っている。
彼らの弾いた「ロザムンデ」のレコードの素晴らしさ!

この一連の記述は、レコードという商品が、
単にデジタルデータとして扱われる現状に警鐘を鳴らすべく、
ジャケット、解説、演奏の三位一体を愛でることを、
一つの主眼としているので、アマデウスの「ます」のCDも、
解説のない廉価盤ばかりを相手にしていたのでは、
少し、片手落ちではないか、
という自分への言い訳が、今回の購入を支えている。

今回のものは、まず、
モーツァルトの弦楽四重奏曲が併録されている点が、
これまで紹介してきたCDとは違う点である。

また、当時のアマデウス四重奏団の写真が、
落ち着いたジャケットに採用されていること、
テスタメント・レーベルの常として、
録音日時の正しいデータが記載されていることも、
また、期待された。
これによると、この録音は、1958年10月15日から17日に、
エイビー・ロードの第一スタジオで行われたとある。
59年に発売されたようだが、録音は前年の秋だったわけだ。
寒いロンドンのことであるから、ちょうど、今時分の気候だったろうか。

プロデューサーやバランスエンジニアの名前も書かれていて、
これこそ、れっきとした商品という感じがする。

さて、解説を見ていこう。
はたして、興味深い発見は、ここに記述されているだろうか。

以下に、意訳で概観してみよう。

「メンバーの入れ替えなしに、
40年もの間活動を続けたプロのカルテットは珍しく、
ショスタコーヴィチの室内楽の初演で有名な
モスクワのベートーヴェン四重奏団の41年(1923-64)、
ロンドンのアメデウス四重奏団の40年(1947-87)しかない。

ベートーヴェン四重奏団は、メンバーを変えて活動を続けたが、
アマデウスはそうではなかった。
幸運だけでなく、4方向の結婚のような関係を、
大切にする高いスキルを共有している必要がある。

カルテットは生き物であり、呼吸している存在なのだ。
そして、やがて、過去のものになる。

彼らがロスタルの元に学んだ時、ブレイニン、ニッセル、シドロフは、
弾いていて最もエンジョイできるのは、室内楽であるということを発見した。
しかし、3人ともヴァイオリニストで、ヴィオラもチェロもいなかったので、
弦楽四重奏団を作ることはできないでいた。

グラインドボーン音楽祭の小さなオーケストラで、
ブリテンの「ルクレチアの陵辱」を演奏していて、
シドロフがロヴェットに最初に会った。

「最初はピーター(シドロフ)が嫌いでしてね」と、
ロヴェットは笑いながら回想する。
「私の演奏に注意したりするものだから。」

しかし、彼こそが第四の男となる運命にあった。
彼の将来の妻はロスタル門下で、
彼自身、ロスタル室内オーケストラのメンバーになった。

最初のころは、ブレイニンとシドロフが受け持ちを代えたこともあったが、
やがて、ブレイニンはインスピレーション豊かなリーダーとなり、
シドロフはしだいにヴィオリストの自信を深めていった。
ニッセルは、卓抜した語調と、分析的な素質を持ち、
立派で穏やかなテンペラメントで、第2ヴァイオリンの天分を有していた。
ロヴェットは4、5歳若かったので、最初は恐れをもっていたが、
急速に技術をつけ、四重奏のチェリストとして、自信を深めていった。

戦後の配給制や倹約の時代が英国を襲い、
グリラー四重奏団のようなリーダーたちは、
49年にはアメリカに行ってしまい、
室内楽の危機の時代が到来した。
戦前の国際的な楽団は、古びてしまったか、解散したりしていた。
BBCなどは、新しい才能を探していたから、アマデウスのメンバーにも、
レパートリーやテクニックを磨けばチャンスがあった。

一方、49年にはアマデウス四重奏団は録音の仕事も始めた。
翌年、モーツァルトの四重奏の録音が依頼され、ト長調をHMVに録音した。
(これが、ここに収められた録音である。最初期のものということだ。)
これは、最初期の10インチのLPの一つとなり、英国ではHMVから、
アメリカではビクターから発売された。

今聞いても素晴らしいものだが、
シドロフのヴィオラの音が薄い点が、
後の録音とは異なっている。
ロヴェットは楽器のせいだとしているが、ブレイニンは、それに対し、
「私はそのスタイルが好きだったのだ」と反論している。

全体に活気ある解釈で、終楽章などは、
習得された対位法の中に溶け込んだ、
コミックオペラのおしゃべりするようなアンサンブルが、
あわ立つような印象を与える。

その後、HMV、ウェストミンスター、デッカなどに録音したが、
やがて、もっぱら、ドイツ・グラモフォンに録音するようになった。
(このあたりの技術的な差異や、
契約のごたごたについても書かれている。)

その前に、HMVに対し、有名な「ます」の録音を行った。
本来なら、よく協演していたカーゾンがピアニストをつとめるべきところ、
彼はデッカの専属で、HMVの誰かが、
ヘフツィバー・メニューヒン(1920-81)と協演させるアイデアを出した。

彼女は普段、兄と協演していて、ジャンドロンともトリオを組んでいたので、
それを、「ます」の編成まで拡大することも可能だった。

ロヴェットは、
「彼女とコンサートで協演したことはなかったが、
とても、楽しいリハーサルだった」と言っている。

このスタジオ用の団体はうまくいった。
フィルハーモニア・オーケストラの主席である、
ジェームス・エドワード・メレットが、しっかりとコントラバスを受け持った。
彼は、同様に有名な父親「オールド・ジム」と区別するために、
「ヤング・ジム」と呼ばれていた。

ヘフツィバーの抑制された古典的なスタイルが、
もっと外向的なアマデウスの表現方法を完成されたものとし、
一般にも批評家にも高い評価を受けた。
(このあたり、私の印象とも、合致している。)

皮肉なことに、対抗盤として出てきたのは、
カーゾンのピアノのデッカ盤、
ドイツ・グラモフォンのデムス盤だった。

これらHMVへのモーツァルト、シューベルトの録音は、
彼らがもっとも共感する二人の作曲家の作品で、
素晴らしい演奏となっている。

彼らは再録音を果たしているが、この早い時期の録音は、
彼らの1950年、58年時点でのすぐれた演奏能力を示す、
アマデウス神話のスナップショットとなっている。」

というようなことが、このCDの解説には書かれている。

b0083728_11594793.jpgジャケットの裏には、
美しい
ヘフツィバー・メニューヒンの
写真も出ていて、
これまた嬉しいではないか。
兄、メニューヒンとは、
ティーンエイジャーの頃から
録音していて、その頃から、
きれいな人だった。


アマデウスの写真も、ヘフツィバーの写真も、
彼らが、どんな風に協演したかも、これまで、
どのCDもLPも教えてはくれなかったが、
こうした証言を通じて、当時の状況が思い起こされると、
次第に心が豊かに満たされてくるのが感じられるではないか。

気になるのは音質だが、
2003年にテスタメントがデジタル・リマスタリングした旨かかれている。
1989年にEMIがリマスタリングしたものと差異があるだろうか。
最初は、なんとなく、ピアノが前に押し出されてきたような雰囲気を感じたが、
全体的にも、各楽器に輪郭が加わったという感じがする。登場感が違う。

ブレイニン特有の甘い響きがどれぐらい鮮度をとりもどしているかが
興味の中心であったが、そこはあまり違いが分からなかった。
しかし、重心が低めになったのか、低音に存在感が増し、
聞きやすくなったような気がしている。
うれしくて二度続けて聴いてしまった。

得られること:「録音場所や時期のデータのようなものですら、その商品への思いやりを表わし、その価値をさらに高める。」
by franz310 | 2006-11-19 12:02 | 音楽
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