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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その42

b0083728_2015403.jpg個人的経験:
ジュリアード四重奏団は、
現代音楽の大家であり、
特に、バルトークの演奏では、
必ず引き合いに出される、
古典的名盤を残していた。

ベルクの「叙情組曲」なども、
古い録音ながら有名であった。


だが、それゆえに、通常の古典を弾く演奏家とは、
思われていなかったかもしれない。
この前紹介したCDで、ブタペスト四重奏団が、
指揮者として有名なセルを、ピアニストにして協演したのと同様、
ジュリアードは、
バーンスタインとの協演でシューマンを録音したりしていた。
奇人として知られていたG・グールドとも協演していた。

何故、普通のピアニストとやらないの?という感じがまた、
ちょっと変わったことをやる、
特殊な連中という先入観を、
少なくとも私には植えつけていた。

実際、彼らの結成50周年のアルバムを見てみると、
こんな解説が出ている。
「バーンスタインが指揮でやったこと、グールドがピアノで、
あるいは、カザルスがチェロでやったことを、
ジュリアードは果たしたのである」、と。
それは、
マンやアダム、ローズといったメンバーが作曲もするからだ、
と書かれており、
正確に作曲家の気持ちになっての解釈が出来るのだ、ともある。

とはいえ、私が音楽を聴き始めた70年代ころには、むしろ、
ラサール四重奏団や、アルバン・ベルク四重奏団が台頭して、
現代作品でも、
ついに、ジュリアードを越えたといった紹介が目立った。

ここで、改めてレコード芸術の推薦の目録を見ていると、
当時でも、ベートーヴェンやモーツァルトの後期の四重奏曲、
シューベルトの五重奏曲など、ジュリアードのレコードは、
しっかり推薦されていた。
だが、記憶によると、
どうしてもファースト・チョイスではなかったと思う。

しかし、彼らは、
シューベルトの最後の弦楽四重奏曲を録音したあたりから、
明確に、
現代を代表する名四重奏団として、私の脳裏にもしっかり焼きついた。

そもそも、この謎に満ちた長大な四重奏曲には、
シューベルトがその生涯でただ一度開いた自作発表会で、
重要な役割を果たしたはずなのに、これといった名演がなかった。

ブッシュの古い演奏はあったが、
ブタペストも、スメタナも録音をしなかった。
コンツェルトハウスのものを私も持っていたが、
なんとなく、全集録音の一環として、
という感じが強く、モノラル録音であったからか、
決定盤とは思えなかった。
(ただ、アマデウス四重奏団が名演を残していたようだが、
当時は廃盤であった。)

シューベルトの音楽としても、この最後の四重奏曲は、
すこし、屈折した受容史を体験したのではなかろうか。

その前の前の四重奏曲(イ短調)は、
すごい顔ぶれで初演されて、生前に出版もされた。

前作の「死と乙女」は、
その激しい表出力で恐ろしいポピュラリティを獲得した。
しかし、この最後の作品は、
立派な完成品、初演の経緯も公知のはずなのに、
幻想的な楽想が錯綜して、長大な音楽が果てしもなく、
敬して遠ざけられるような面があった。

この作品の後、シューベルトは、
弦楽五重奏というさらに巨大な、未曾有の作品を書き、
これが広く知られたがゆえに、
最後の四重奏は、宙ぶらりんになった格好だった。

そこに登場したのが、ジュリアードの79年の録音であった。
これには、非常に感銘を受けた。
非常に、見通しが良く、立体的な構成感も心地よく、
素晴らしい推進力で、
私を、この音楽が持つ火照りの中に投げ込んだのである。

エネルギーを放射して突き進むごとに、
シューベルトが四重奏曲で到達した、
かけがえのない境地が、ようやく明らかにされていく、という感じであった。

ジュリアードのアプローチは、余韻を残す、というようなものではない。
シューベルトの創作の余韻のように弾かれて来た、この音楽の、
実体がこのスタイルによって、明確にされたという感じであった。

そのような耳で、今回の「ます」を聴くと、
やはり、特徴的なのは、めりはりの効いた推進力であり、
序奏からして決然としている。
明確に、各声部が動き回り、それらがいずれも、
神経質なまでの火照りを持っている。
ユニゾンで弾くときも、
複数の音が鉄条網のようにからまっているのが分かる。

考えすぎかもしれないが、
共演者のピアノのアラウは、あおられてもいるようにも聞こえる。
そもそも、アラウは、バッハからベートーヴェン、ブラームスと続く、
重厚なるドイツの本流を得意とした本格派の巨匠であり、
シューベルトは晩年にまとまった録音を残したが、
この2枚組CDに収められた、フランスの作曲家フランクや、
チェコの作曲家ドヴォルザークなどが、
そのレパートリーに入っているなど、想像したこともなかった。

さらに言えば、アラウには、室内楽のレコードというものがほとんどなかった。
あっても二重奏までであり、こんな俊敏な若造ども4人に追い立てられて、
ストレスが溜まったのではなかろうか。

ジュリアードの最盛期は、ここで聴く、
ハイラー、アダム体制までだったという人が多いが、
その黄金時代のメンバーで、「ます」の録音が残されたのは、
まことに奇跡的とも思え、非常に喜ばしい。

この黄金のメンバーであるが、
創立50年の記念に出たCDの写真などを見ると、
新人類のヤンキーたちが、一発かましてくれるぜ、
という感じがダイレクトに伝わってくる。
バックが飛行機なのも、新時代に突入した感じを出していた。

このソニーのCDには、「ます」はないが、
フランクやドヴォルザークの録音が収められていて、
今回、国会図書館の録音から発掘されたものと比較することが出来る。
前者のピアノはボレット、後者のピアノはフィルクスニーという大家を迎え、
巨匠アラウにまったくひけをとらない。
カルテットのメンバーは、第一ヴァイオリンを除いて入れ替わっている。

得られること:「現代からのアプローチがシューベルトの細胞を活性化させる。」
by franz310 | 2006-10-29 20:38 | 音楽
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