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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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クロメダカちゃんも知らなかったことを、どじょうちゃんはさらに知ってしまう。

b0083728_23102726.jpgどじょうちゃんは、耳を疑った。
「メダカの問題じゃなかったのか?
えっ?デジタルが何だって?
どじょう波デジタル?
どじょうと、デジタルと、
いったい何の関係があるの。」
そんな風に、頭の中を整理しようとしたが、
どじょうちゃんには、何だか分からなかった。

どじょうちゃんは、ここは聞かぬは一生の恥と割り切って、
貝ちゃんに、何それ?と素直に聞いてみた。
どじょうは、デジタルというより、むしろ、アナログが似合うと、
はっきりと自分の意見も添えて見た。

どじょうちゃんは、飼い主がアナログ派だと知っていたから、
自分もすっかりその気になっていたのである。
デジタル化など、安っぽい音楽には似合っても、
どじょうちゃんが聴くような、「ドジョウ川のさざなみ」や、「美しく青きドジョウ」など、
あるいは、ドジョウザークの「死にそう貝」交響曲、「アメリカざりがに」四重奏曲を聴くには、
真っ黒なアナログ盤がふさわしいと思った。

「デジタルだと、何て言うかな、音が硬いんだよね。
空気の色合いとかさ、ああいったものが希薄なんだよね。
そうそう、イエペスの弾く『アランフェス』なんか、
聞き比べてごらんよ。
デジタルってのはね、そう、ちょうど貝ちゃんの背中みたいに、
きりっと硬いんだよ。
そのせいか、水彩の絵の具が、すうっと水に広がるっていうかさあ、
そんな感じがアナログには生きているんだよね。
すうっと、フレキシブルな感じって、何となく、どじょうっぽいでしょ。」

どじょうちゃんの口調は、一昔前のオーディオ雑誌の、
対談みたいになってきていた。
その口調が、自分でも妙に説得力があるように思えた。
深い洞察があるわけではないが、こうした親しみやすい、
滑らかな話し方の方が、自信なさげに、硬くなって話すよりも、
何となく納得してしまう上司が多いのだ。

思ったとおり、貝ちゃんは、それを聞いて大きく頷いていた。
貝が頷くと、背中の貝殻がてこの原理で、ヌンチャクのように振り回される按配となる。
貝殻が、水槽にぶち当たり、水槽には無数の傷が入った。
どじょうちゃんは、さっと身をくねらせてかわしたので、
かろうじて、その一撃を喰らわずに済んだ。
そして、貝ちゃんは、こう言った。
「そうなんだな。どじょうちゃんは、どちらかと言うと、
穴の中で暗くしているのが好きな、
『どじょう派穴蔵』なんだな。」

どじょうちゃんは、それなら、「穴蔵どじょう」の方がすっきりすると思って、
ちょっと釈然としなかったが、デジタルよりはましだと考えて、
「そうだろう、デジタルとどじょうは、僕も相性が悪いと思うのだよ」と、相槌を打った。

だが、意に反して、貝ちゃんは、こんなことを言い始めた。

「とはいうものの、どじょうは『出汁』と言って、
昔から、出る汁にどじょうを使う研究は、
柳川鍋を中心に行われていたんだな。
柳川の町は、蔵も多い、穴蔵なところだが、
出る汁のよさを汁、いや、知る人も多くてね。
どじょうから出る汁もおいしいんだな、
という『どじょう派出汁』は長い伝統を誇っていてね。
その基礎研究があったからこそ、『どじょう派デジタル』も、
本格稼動に移行する動きが、ここに来て加速したんだな。」

どじょうちゃんは、真っ青になって、反論した。
口ひげが、ぴくぴくと、また震え始める。
それが大きくなって、ぷるぷるになる。
「出汁から、デジタルは、簡単には進化しないものだよ。
そもそも、デジタルの『た』がないだろう。出汁には。
『た』がないのは、難しいと思うよ。ぷるぷるぷる。」

「だから、君は田から連れてこられただろう。」
貝ちゃんは、こともなげにこう言うので、どじょうちゃんの口ひげは大きく揺れた。
ぴくぴく、ぷるぷるの口ひげの興奮と、
それに囲まれた口から発せられた虚しい叫びが、
ろ過フィルターのぶくぶく音にかき消される。

「デジタルリマスタリングってのは、意外に問題も多いんだぞ。
ア、アナログ派は、当然、残るんだろうね。ぴくぴくぴく。」

しかし、貝ちゃんの答えは明快かつ冷酷なものだった。
「いいや、『どじょうはアナログ』は、もうすぐ中止になることが決まっているよ。
みんな『どじょうはデジタル』に移行することが決まっている。」

「どじょうはデジタルなんて、絶対、嘘だ。ぷるぷるぷる。
そもそも、あの二人は、『世情派デジタル』を調べている途中だろう。
まだ、結論は出ていないいんだろう。ぴくぷるぴく。」
どじょうちゃんは、自分もデジタルの一部になるのかと思うと、どうしても、
貝ちゃんの口から、それを否定して欲しかった。
by franz310 | 2006-08-31 00:00 | どじょうちゃん
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