クロメダカちゃん最初の次と次の受難 |
それにしてもひどいよなあ。 金で何でも買えると思っているんだ。 金って言ったって、500円玉一枚だよ。 他の店では、レジでもっと出していたぞ。 500円玉なんて、お釣り相当だと知って、 その時ばかりは、僕って何?と思ったね。 そうなんですよ。 すぐには帰らないわけ。この人。 ビニール袋の中で、 息も苦しいし、むしむし湿度が上がっているというのに。 そんな他人を思いやる気持ちがないっすよ、実際。 へろへろになっている僕たちを、 よろよろよろよろ、 変な乗り物に乗せて、 連れまわすんだもんなあ。 仲間の1人が車酔い止めを持っていなかったら、 おそらく、お腹が上を向いていただろうね。 がちゃがちゃうるさい音の店やら、 じゃんじゃかうるさい音の店まで、 あらゆる騒音で満たされた世界。 今にもお陀仏という間際に、 もう、この世の全ての地獄を、 見せられるかと思いましたよ。 そして、家に帰ったと思ったら、 じゃばっと狭い水槽にぼくたちを放り込むわけ。 水草にからまって、苦しんでいる仲間もいるのに、 その上から、300円で買った水草の束を投げ込むんだよ。 倒壊した家屋に雪崩が襲い掛かる勢いだ。 水槽中を追い回して、狭いビニール袋に閉じ込めたおっさんも、 鬼か悪魔かと思ったけど、 水草同様の値段で叩き売られてやった僕たちに、 あまりにも失礼な振る舞いじゃないか。 お茶も座布団も出す前に、 この扱いとは、人の道に反してないか? そして、自分ばかり、あの変な店で買った袋をぶら下げて、 部屋に入ったと思ったら、また、あの地獄の音響がそこから鳴り響いてきた。 何の儀式だかしらないが、神をも恐れぬ異教徒だ。 しかし、そんなことに気を捕らわれている余裕なんかないんだから。 ヒメダカとやらが寂しがっているとか言ってたけど、何が寂しいだ。 その水槽には、ピラニアのように獰猛かつ乱暴ものが、 幅を利かせていたんだな。これが。 ほっとする間もありはしない。 寂しがっているんじゃなくて、きょーふで、口をぱくぱくさせていただけなんだ。 |
by franz310
| 2006-05-22 22:14
| どじょうちゃん
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