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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その19

b0083728_20471037.jpg個人的経験、演奏、デザイン、解説比較:
七不思議の推薦盤、
「オルベルツ+ベルリン四重奏団」盤のあと、
3年した1977年は、
「ます」のレコードの当たり年である。

レコード芸術2月号では、
ギレリス+アマデウス四重奏団盤が、
6月号では、「タッシ」盤が、推薦盤となった。

ギレリスの演奏については、すでに述べた。
しかし、これまでの推薦盤、すごい面々でした。
ウィーン・コンツェルトハウス、スメタナ、ブタペスト、アマデウス。
どの四重奏団も、モーツァルトやベートーヴェンや、シューベルトの、
弦楽四重奏曲全集を作っていますねえ。
特に、スメタナやブタペストは、2度もベートーヴェンの全集を作っている。
「ます」は余技ですよ、と言われても、言い返せないような猛者連である。

では、「タッシ」の演奏は?
そもそも「タッシ」とは何者なのか?
それにしても、このジャケット、これでいいのか?
「ます」のジャケットが「鯉」?

鯉のぼりなどを親しむ日本人としては、
どこかの城下町だか武家屋敷だかの水路を連想したりして、
ちょっと、屋根瓦や白壁が思い描かれ、フレッシュな感じがしないのだが。

それにしても、「タッシ」という演奏家たち。
もう30年も前の結成ながら、○○四重奏団とか、
△△トリオといった室内楽の先達たちの名称に親しんだ者には、
なんじゃそれ?という感じが今でもする。
(今、こんな命名をした団体がいるか、思い出せない。)

何でも、ピアニストのP・ゼルキンがつけた名前らしく、
チベット語で、「幸運」を意味する言葉だという。
これまた、いかにも、70年代という感じ。

とにかく、いかれた兄ちゃんたち(姉ちゃんも1人)が、
勢い良く集まって、妙な名前の団体にしてしまった、
というのが、登場時の第一印象であった。

この「ます」の録音、しかし、聞いてみると、
とても、デリケートかつ、自発性にとんだ演奏で好感が持てる。
ただし、LP初出時には、欲しいと思わなかった。
みんながCDに乗り換えた時、いっせいにLPを叩き売った際、
ちゃっかり廉価で買ったのを聴いている。

そもそも、現代音楽を演奏するために結成されたような、
活力のあるアメリカの集団である。
これも猛者といえば、猛者。
メシアンやウェーベルン、ストラヴィンスキーで鳴らした連中である。

そのせいか、ヴィオラもチェロも、よく主張してくれて嬉しい。
単に、リズムを刻んでいるだけの所でも、
生き生きと息づいて、生命力がある。

メロディの歌わせ方も丁寧で、シューベルトにはぴったりである。
ただし、ジャケットのデザインにも見るように、
あまりにも純粋にぶっ飛んでいる所が、
判断の難しいところであろうか。

考えようによっては、シューベルトらしくはあっても、
シュタイアーの自然からは隔絶されて、
チベットの大自然に放り投げられた感じがしないでもない。
もちろん、これは、いろいろな情報をもとにした、
先入観にすぎないのかも知れないが。
どうしても、最初の一枚に、これを推薦するのは、ちょっとためらわれるのである。

しかし、レコ芸推薦の要点は、私の印象とよく似ている。
・強い共感を持っている演奏。
・自己を主張しながら、他とも調和。
・既成概念にとらわれず。(ここだけは、抽象的であるが。)

それにしても、通俗名曲と思われがちなこの曲を、
よくぞ先鋭な集団が、びしっと取り上げてくれた。
何かの全集の余技ではなーい。

こうした演奏を通じて、
単なる感傷的な作曲家と思われていたシューベルトが、
実は、現代に通じる何かを抱えた音楽家であったことが、
しだいに、多くの人々に認識されるようになったとも言える。
ゼルキンは、父ルドルフの息子だが、東洋哲学にも傾倒する異色の音楽家。
この人が、「ます」は大好きみたいで、ほかにも録音がある。

さて、解説の方は、タッシの創設の話から始まって、
その意欲的な活動についてが、半分以上のスペースを使っている。
しかし、後半は、この曲の成立由来や、各楽章の解説まで、わりと丁寧である。

「はつらつとした青春の音楽として完成し、我々に残してくれたのである。」
と、作曲家への敬意で締めくくられているのも、私には重要な事のような気がする。

ただし、初演のいきさつ不明のこの曲が、
シューベルトのピアノによって、シュタイアーで初演された、
と書いてあるのは空想の勢いであろうか。

私としては、作曲家を歓迎した美しい娘たちの1人、ヨゼフィーネが初演した、
という空想も捨てがたい。シューベルトは、ヴィオラを担当して、
高音と低音を見守っていたという設定はいかがだろうか。

導かれる事:「音楽に地域のアイデンティティがある以上、本場ものという魔力から解放されるのは困難である。」
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by franz310 | 2006-05-21 20:57 | 音楽
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