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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その298

b0083728_033325.jpg個人的経験:
ヴィヴァルディの「バヤゼット」は、
主人公の敵方のアリアには、
何と、ヴィヴァルディの敵方の
ナポリ派作曲家のアリアを借用、
主人公サイドのアリアには、
ヴェネチア派の自作を使って、
流行を聴きたがる聴衆にも、
即席の成功を望む演奏家にも
考慮を払いつつ、
自己主張した多層的な作品である。


このオペラは、解説に、
「ヴェネチア・オペラの高貴な死の苦しみ」
と題がつけられているように、
まさしく、ヴィヴァルディが属していた派閥が、
否定されつつあった時期に書かれた。

「ヴィヴァルディの『バヤゼット』が、
ヴェローナで初演された年、1735年、
ヴェネチアの『音楽劇』は、
難しい局面を迎えていた。
モンテヴェルディやカヴァッリを育て、
何十年にもわたって、
オペラ界の中心として知られたこの街は、
フランスの著述家モンテスキューが、
1728年の日記に、
『今ではオペラはヨーロッパ中で見ることができ、
これはオペラシーンから、
ヴェネチアの名声が奪われたことを意味する』
と書いたように、
その優位性を失いつつあった。
かつては、彼は、
『ヴェネチア以外で、オペラは聴くことが出来ず、
それは、本当にヨーロッパ一のすばらしさであった』
と書いていたのに、
『オペラはどこででも演奏されていて、
それが聴ける優れた街のものより、
ヴェネチアのものが良いというわけではない』
ということになった。
しかし、この街の資産衰退は南から訪れた。
シャルル・デ・ブロスが、10年前に、
『イタリア書簡』で書いたように、
その頃までに、ナポリが、
『音楽界の首都』の座を奪っていたのである。
メタスタージオのような詩人や、
ハッセ、レオ、ヴィンチのような作曲家、
とりわけ、ファリネッリ、カフェレッリ、
カレスティーニのようなカストラートのスターによって
代表されるナポリ風オペラは、
ドラマの真実性のような考え方以外を好む、
時代の流れに付いて行かなかったヴェネチアに、
どんどん押し寄せていた。
1720年代には、
嗜好は変わり始めており、
上品なメロディ、明解なリズム、
しなやかなヴォーカル・ラインによって、
ナポリ風オペラが壮大な誘惑のキャンペーンを開始するや、
この街は簡単に征服されてしまった。
10年以内にヴェネチアのステージは、
ナポリ派が主に支配することになる。
ヴェネチアオペラの象徴でありながら、
今や、ナポリ派の神殿になった、
サンジョヴァンニ劇場は、
1735年の謝肉祭に向けて放ったのが、
メタスタージオの台本による、
ガエターノ・マリア・シャッシ作曲の『デモフォンテ』と、
レオナルド・レオ作曲『ティト帝の慈悲』の二作で、
共に、最新の歌唱スタイルのスター、
『ジジェーロ』と呼ばれた、
ジョアッキーノ・コンティを登場させた。
同じシーズンに、サンカッシアーノ劇場は、
ナポリ風の若い模倣者アントニオ・パンピーノの、
『アナジルダ』を舞台にかけ、
かつて、ヴィヴァルディが支配していた、
サンタンジェロ劇場は、
ハッセの『ファブリツィオ』と、
ナポリ人、フランチェスコ・アラヤの
『ルチオ・ヴェーロ』を上演して、
彼等は劇場に新しい語法を紹介していた。」

このような状況下で、ヴィヴァルディが書いたのが、
この『バヤゼット』であった。
もちろん、ヴェネチアに居場所はない。
だから、初演が行われたのは、ヴェローナだったのである。

シューベルトやベートーヴェンの時代には、
同様の事がヴィーンにも起こり、
彼等は、ロッシーニの前で、
息を殺していないといけない状況になった。
そんな事まで思い出した。

この作品が、非常に意味深なのは、
こういった背景があったということだ。
このCDは、この野心作の魅力を、
現代に蘇らせようと全力を上げている。

前に聴いた、「離宮のオットー大帝」の場合、
解説がCDROMであったが、
ビオンティが指揮した、今回のCDには、
興味深いDVDの付録があって、
リハーサル風景、演奏風景が収められている。
ただし、このDVDは演奏風景の映像に特化しており、
解説そのものは、立派なブックレットになっている。

このように、作品の真価を、
あらゆる側面から伝えようとした商品は、
まことに好感が持てる。
再発売によって、廉価盤化され、
こうした特徴は失われたようであるが。

このCDの裏面には、真ん中にビオンティを収め、
ずらりと歌手の写真が出ているが、
この人たちが歌ったアリアの歌唱風景が、
映像としても収められているというわけだ。

DVDを見ると、ビオンティは立って、
指揮をしながら、時折、ヴァイオリンを弾いている。
即興的に技巧的なパッセージを散りばめ、装飾補助もしている。

DVDのTrack1は、
ヴィヴィカ・ジュノーによる、
イレーネのアリア、「戦場における兵士のように」で、
CD1のTrack17に相当する。

ぴったりとした黒いセーターを着た、
ジュノーは、キュートな感じ、
スタイルも良い。

真剣な眼差しで役に没入しながらも、
時折、笑顔でアイコンタクトが入る。

この超絶技巧のアリアは、
痙攣するような口の動きや、
激しい呼吸を見ているだけで、
ものすごいものだと分かる。

DVD、Track2は、イダスペのアリア。
CD1のTrack22、「海が船を飲み込む」で、
このキャラクターの性格をよく表した、
とされているもの。

パトリチア・チョーフィは、白いシャツ。
これまた、スタイルが良くて見栄えがする。
どこか虚空を見つめて、表情も激変して、
すっかり、あっち側に行ってしまっている。

DVD、Track3は、主人公、バヤゼットの、
聴かせどころの激烈アリア。
CD2のTrack10の、
「娘はどこにいる」。
これは、解説でも特筆される名アリアのようだ。

イルデブランド・ダルカンジェロは、
モスグリーンのジャケットを羽織っていたのを、
ぬいでトレーナー姿になったと思ったら、
次の瞬間には着ていたり、
最後は青いスポーツウェアになったり、
まことに忙しい。
こんなに沢山のテイクを繋いで作ったのだろう。

DVD、Track4は、
CD2のTrack16のタメラーノのアリア、
「悪党の裏切り者」で、
ダニエルスが歌っている。
最後に、ブラボーが出ている。

DVD、Track5は、お待ちかね、
エリーナ・ガランチャの歌う、
ギリシアの王子、アンドロニコのアリア、
CD2のTrack18と同じ、
「きれいな花々に囲まれて」。

この人は、真面目な感じで、
先に出て来た女性陣と比べると、
それほど表情は変わらない。

ブルーと黒のラインの服も、
何となく、カジュアルっぽい。

むしろ、オーボエのモリー・マーシュが気になる。

が、ガランチャも、
最後にはお茶目な表情で、
さすが人気者と納得した。

DVD、Track6は、
再びバヤゼットの登場。
アリオーソ、「私はまた来る」で、
(CD2のTrack20)
42秒しかないが、
真面目そうという意味では、
この人は、一番だ。終始怖い。

DVD、Track7は、
ヒロイン、アステリアがようやく登場。

このマリャーナ・ミャノヴィッツという人も、
没入系で、ものすごい感情の起伏が、
全身の動き、表情で表されていく。
ものすごい人たちを集めたものだ。

CD2のTrack25、大詰めの、
「私を刺せ、殺せ、打て、殴れ」という、
短いが強烈なもの。

タートルネックのぴったりした服を着て、
挑みかかるような歌唱は、実に迫力がある。
中間部では、ハープやギターの素晴らしい伴奏に乗って、
「お父様、私にもたれて」という、
父を悼む場面は、深い感情を見せる。

もう終わりですか、という感じの付録ではあるが、
感じのよいホールで、すっきりとした音響を響かせ、
それぞれの歌手がカジュアルな服装ながら、
真剣な表情を見せてくれるというのは、
なかなか得難い経験と言えるかもしれない。

では、このCD2の鑑賞を開始したいが、
これまでの筋から、登場人物の関係を図示すると、
こんな感じになるだろうか。

タメラーノ(カウンターテナー):    ティムール皇帝
↓戦闘で破り捕虜に。                ↓
バヤゼット(バス・バリトン):オスマン皇帝  妃に所望
↓娘                          ↓  
アステリア(メゾ・ソプラノ):         オスマン王女 
                            ↓相愛 
アンドロニコ(メゾ・ソプラノ):      ギリシア王子
          ティムールは結婚を強要  ↓     
イレーネ(メゾ・ソプラノ): トレビゾンド王女(元はティムールの許嫁)

イダスペ(ソプラノ):アンドロニコの友人(家臣?)。

ティムール帝が、アステリアを娶ることは、
誰も賛成していないが、征服されているアンドロニコは、
言いつけに従うしかない感じ。

CD2は、第2幕の途中からである。
アンドロニコの自己弁護に、アステリアは耳を貸さない。
その後のあらすじは、こんな感じ。

「タメラーノは、
イレーネの親友だと名乗って来た女に、
決断の意味を説明しようとする。
王女はアステリアに慰められるが、
嘆きに打ちのめされている。
バヤゼットはアンドロニコに、
アステリアは王妃になるところだと知らされ、
怒り狂う。
彼は娘の前に連れて来られ、
激情を迸らせて、屈辱を語る。
アステリアは取り乱し、
婚礼の夜に暴君を刺し殺そうとして持っていた
ドレスの下に隠していた短刀を取り出す。
父親と娘はたちまち捕らえられ、
牢獄に放り込まれてしまう。」

Track1.
アンドロニコは、自分の訴えを聞いてもらえず、
ここでは、かなり激情を迸らせている。
「バヤゼットに言おうか、
しかし、もしも駄目なら、すべての希望はなくなる」
と悶々としている。

Track2.はアンドロニコのアリア。
この音楽も借用なのだろうが、
かなり、ざっくりとこの状況を押さえた、
説得力のある楽想だ。
分厚い弦楽もそうだが、
きらめく低音部も、非常に美しい。
モーツァルトを想起してしまう。

「無慈悲な運命は、最悪を選ぶ。
何という、凶暴さ、何という苦痛。
私の誠実さが罪悪に見え、罪となる。
全ての残忍さが私に向かう」。

ガランチャのきりりとした声を堪能したい。

Track3.テントが開いて、
タメラーネとアステリアが、
クッションに座っているのが見える。
イダスペもいて、やがて、イレーネが来る。

イダスペはイレーネが来たことを告げる。
イレーネはアステリアを見て、
何故、奴隷が座っているのに、
女王が立っていないといけないの、と不服である。

タメラーネは、相手はイレーネ自身なのに、
使者だと考え、言葉を続けさせず、
アステリアに説明させる。

アステリアが、自ら、世界の征服者の、
求婚に応じたことを告げると、
イレーネは、女王を差し置いて、
奴隷と結婚するのか、などと反論するので、
タメラーノは激怒する。

Track4.は、タメラーノのアリア。
これは激烈なリズムのもので、
この暴君の面目躍如としている。
DVDのメニューでも、
この音楽が使われている。

が、内容を見ると、妙におびえている。
「非情な宿命よ、理不尽な運命よ、
私は不誠実で、恩知らずだ。
しかし、彼女の2つの瞳は、
私の罪を責める。」

暴君の残虐さは、その弱さの表れか、
などと考えてしまった。

Track5.タメラーネは去って、
アストリアとイレーネ、イダスペの会話。
イレーネは、夫を取って、さらに侮辱するか、
と言うと、
アステリアは、別に野望や感傷で、
この王位を望んだのではない、と釈明する。

Track6.はアステリアのアリア。
これも、小唄風のもので、ハープもぽろぽろ、
いかにもヴィヴァルディ風に小粋である。

「臆病な小さな牝鹿は、
小川に向かって走り、
丘に、山に、ついに、友を見つける。
彼に寄り添い、ようやく落ち着いた。」

ヴァイオリンの助奏も技巧を凝らして、
洒落た感じ。

「イレーネに、早く恋人を見つけなさい、
と言うがいい。
彼女の恩知らずの花婿は、
私によって奪われたわけではないの。」

Track7.イレーネとイダスペ。
二人は、アステリアが、何か企んでいることを推測する。

Track8.イレーネのアリア。
助奏が神秘的で素晴らしい。
このアリアも、悲愴で太いメロディラインが、
がっぷりと、我々の情念を揺さぶる。

このまま、映画音楽にでも使えそうな、
ロマンティックなメロディが魅力的である。
これが、ヴィヴァルディのオリジナルでないのは、
まことに残念である。

「花嫁、私は侮辱された。
貞節、私は傷つけられた。
天よ、私が何をしたというのか。
彼は、私の喜びであったのに、
花婿は、恋人は、
私の希望のすべてだった。」

Track9.
「アンドロニコ、我が娘はどこに」という、
バヤゼット苛立ちのシーンである。
「あなたの敵の王位に向かって」と、
アンドロニコが答えると、
許さん、裏切られた!と大騒ぎである。

Track10.は、その続きのアリア。
DVDでも取り上げられていたシーン。

解説でも、このシーンは特筆されていて、
これは、「モテズマ」という別のオペラからの借用で、
天才的な一撃の例とされている。
「娘が裏切ったという思いに、
バヤゼットが怒りと嘆きのコンビネーションに、
征服される様子が、
狂おしく撃ちつけられる16分音符に、
突然の休止が交錯し、
輝かしく描かれる」とある。

「とりわけ劇的なシーンは、
バヤゼットとアステリアのために用意されており、
ヴィヴァルディの霊感が力強く輝いている。」

Track11.
全軍の前で、タメラーネとアステリアが座っている。
アンドロニコがバヤゼットに言ったように、
すでに、婚礼は進行しているようだ。

そこに、バヤゼットが現れ、
オスマン帝国のスルタンは、こんな配偶は認めん、
とか言うが、タメラーネは、黙れ、という。

長いバヤゼットの独白。
俺が最後に言うことを聴けと、すごい迫力なのである。
奴を殺して、俺も死ぬと、めちゃくちゃである。

「聴け、裏切り者よ、そして、お前、我が敵」という、
伴奏付きレチタティーボは、
オーケストラが、じゃん、と鳴って始まるが、
解説者も特筆している部分である。
時折、ぎざぎざの音型や、
ばん、ばんというピッチカートが、
バヤゼットの怒りを増幅する。

確かに、この部分のオーケストラと声の、
織りなす心理的効果は、壮絶である。
シューベルトの歌曲の、
ピアノと声の関係を予告しているかのようだ。

アステリアは、そんな迫力の中、
「王位は断念します」と言って、
短刀をかざして見せる。

当然、タメラーネは「万死に値する」と激怒する。

Track12.は、私は初めて聴く、
ヴィヴァルディの四重唱。
イレーネ、何と残酷な、
バヤゼットは、怪物め、
アステリアは、神よ、父は死ぬのですか、
タメラーネは、彼に慈悲など必要ない、
等々で、第2幕は終わる。

第3幕は、こんなあらすじだという。
「バヤゼットとアステリアは、
バヤゼットが隠し持っていた毒で、
自決しようとする。
アンドロニコは、勇気を出して、
バヤゼットの娘を愛していることを、
主君、タメラーノに打ち明けることにする。
タメラーノは恥をかかされたと思い、
バヤゼットを殺し、アステリアを奴隷にして、
食事の時の給仕をさせようとする。
アステリアは、この機会を生かし、
父親が持っていた毒を暴君の杯に入れる。
しかし、これはイレーネに目撃され、
彼女はアステリアを責め、
自分の正体を明らかにする。
タメラーノは、彼女と結婚することで、
イレーネに報うことを約束し、
アステリアはハーレムの奴隷たちによって、
父親の面前で陵辱されるように仕向ける。
バヤゼットは虚しくも憤るが、
その場を去り、後はイレーネの好きにさせる。
しかし、その後、
バヤゼットが服毒自決したという知らせが来て、
アステリアは、自分も殺してくれと、
タメラーノに乞う。
暴君は、この出来事の悲劇的展開に身の毛もよだち、
アステリアとアンドロニコの結婚を許す。」

Track13.ユーフラテス河の岸辺の庭。
何で、こんな所にいるのか、
と思われるが、バヤゼットとアステリア。
「我々に罪がある。毒があるから、これで死のう」
という部分。

Track14.バヤゼットのアリア。
死に行くことを喜んでいるような勇壮かつ、
晴れやかなもので、オーケストラも活気がある。

Track14.
タメラーノとアンドロニコが語らっている。
「彼女の軽蔑が、私の愛情をかき立てた」などと言っている。
アンドロニコは、意を決して、アステリアへの愛情を語る。
タメラーノは怒って、アステリアを奴隷にするという。

Track15.
バヤゼットも来る。
何故、アステリアは跪いているかと怒る。

Track16.タメラーノのアリア。
「極悪の反逆者め」。
タメラーノとしては、こうも言いたくなるであろう。

これも、勇ましく、ざくっと聴衆の心を掴む力がある。
天翔るオーケストラの序奏、
素晴らしい推進力。
これも、ヴィヴァルディのオリジナルでないのが残念だ。

Track16.アンドロニコの悩み。
「私は王位を捨てよう。
私は愛を捨てることが出来ないのだから。」

Track18.は、DVDでも聴いた楽曲。
これまた、華やかな音楽で、
「青々とした草原の、
多くの美しい花々の中で、
毒蛇が眠っていて、
そこを通り過ぎようとするが、
逃げることは不可能だ。
それと同じで、私も、愛と哀れみから、
逃げることは出来ない。」

Track19.タメラーノの祝宴の広間。
バヤゼットも呼ばれ、
アステリアが奴隷になっている所を見せられる。

アステリアが呼ばれ、給仕を命じられる。
バヤゼットは、何と無礼な、
とか言っているが、この人も大変無礼だと思う。

アステリアは、バヤゼットから貰った毒を、
杯に入れて、タメラーノに渡す。
「召し上がれ、偉大な方、さあ、
このカップにはアステリアが、
あなた様のあくなき野望を癒すものを入れました」
などと、余計な台詞がうざい。

イレーネが来て、「飲んではいけません」と言い、
「私はイレーネです」と正体を明かす。

アステリアは、「召し上がれ」などと、
まだ言っている。
そして、「なら、私がのみましょうか」とか言うので、
アンドロニコは走り寄って、カップを奪い取る。

タメラーノは、アステリアを引っ立てて、
好きなようにしろ、と言い放つ。

すると、オーケストラが、
もやもやもやとなって、
バヤゼットの絶望が描かれる。

Track20.は、バヤゼットの、
怒りのアリア。これもDVDで聴いたもの。

Track21.は、タメラーノが、
イレーネを褒めて、花嫁にする会話。

Track22.は、素晴らしく装飾された、
序奏を伴うイレーネのアリア。
「草生い茂る川岸の上、
情熱に燃える鳩のよう。
きれいな冷たい水をもってしても、
この情熱を冷ますことは出来ない。」
この楽曲も、ナポリ風なのであろうか。
単純ながら、筆致が明確で分かりやすい。

Track23.イダスペが来る。
バヤゼットが毒を飲んで、苦しんでいます、
と報告すると、タメラーノはいきなり動揺を始める。
この人の方が人間くさくて分かりやすい。

Track24.
「本当に、死んでしまいました」という、
アステリアの慟哭。

憔悴していくレチタティーボを、
オーケストラが見事に修飾していく。
ほとんど、メロドラマである。

このあたりは、次のアリアも合わせて、
解説者も特筆している。

Track25.
これも、DVDで聴いた、すさまじいもの。
途中で静かな哀悼の部分が、コントラストをなす。
解説者は、「これらは、最高の霊感の爆発で書かれている」
としている。
それは、自筆譜の熱に浮かされたような、
作曲家の筆致からも分かるという。

「オルランド・フリオーソ」の、
狂乱のシーンと共に、
ヴィヴァルディのオペラの中で、
最も感動的なパッセージだと書かれている。

Track26.
ここでは、アンドロニコに合わせて、
イレーネも哀れみを乞い、
タメラーノは、「友よ、君の勝ちだ」と、
妙に格好良くなっている。

Track27.は全員の合唱で、
「百合と薔薇の冠を。
愛の平和が訪れた。」
と、ホルンも吹き鳴らされて、
壮麗かつ簡潔な終曲となる。

得られた事:「ヴィヴァルディのオリジナルは繊細だが、ナポリ楽派の引用部は、がしっと明確なメッセージでロマンティックですらある。」
by franz310 | 2011-10-16 00:05 | 古典
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