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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その296

b0083728_1447435.jpg個人的経験:
ヴィヴァルディのオペラ、
「テルモドンテのヘラクレス」で、
非常に印象に残っているのは、
第2幕のはじめに置かれた、
ヴァイオリン二挺の掛け合いを伴う、
ソプラノのアリアであった。
ヴィヴァルディは、
この効果を得意としていたようで、
「離宮のオットー大帝」では、
序曲からこれが聞こえる。


このCDは、現在、非常に安価に出回っている。
ブリリアント盤であるが、
前回のDVD「ヘラクレス」では、
泣かせるヒロイン、ヒッポリュタを歌った、
マリナ・バルトリが、トゥッリアという役で登場するのが嬉しい。

印象に残る美人で、声も忘れがたい。
このトゥッリアという役は、
ローマ皇帝オットーの愛人、
クレオニッラが好きになってしまった美青年カイオの恋人である。

つまり、女性なのだが、ここでも、性転換の変装があって、
彼女はオスティーリォという偽名も使い、
さらに、クレオニッラに愛されてしまう、
というのがややこしい。

が、登場人物は、だいたい、以上で終わりなので、
筋としてはすっきりしている印象。

さて、このオペラは、ヴィヴァルディのオペラでは、
最も初期のものとして知られるもので、
台本はドメニコ・ラッリ。
1713年にヴィンセンツァで初演されているらしい。

この録音も2008年6月20日から22日に、
ヴィンセンツィアでの音楽祭で演奏されたものの記録らしい。

表紙にはカナレットの、
「ヴェニスのリアルト橋」という絵があしらわれ、
廉価盤でありながら、格調高い趣きがある。

最新の録音であるから、音もすっきりしていて、
フェデリーコ・グリエルモが指揮する
ラルテ・デラルコの楽器の音色にも輝きがある。

演奏風景を見ると、ヴィヴァルディお得意の、
ヴァイオリンの掛け合いが出来るように、
指揮もするグリエルモと、
恐らくSOLOⅡとされた、
ジャンピエッロ・ジャノッコが正面に向かい合っている。

ヴァイオリンはあと4つ、ヴィオラ1つ、チェロが2つ、
オーボエやリコーダーが3つ、
室内オルガンとチェンバロ、あと、バスとあるのは、
写真に見えるテオルボだろうか。

このCDは、3枚組だが最後のものは、
解説やリブレットが入ったCD-ROMである。
こうした工夫で原価を下げたのであろうが、
曲も演奏も美しく、非常にお買い得な感じを受ける。
 
パンシェルル著「ヴィヴァルディ」では、
このオペラは、1715年と1729年に再演されているようで、
処女作のような感じながら、そこそこの成功を収めたようだ。
それも肯けるが、このCDで聴いても、
美しいアリアが次々と繰り出されて、ため息が出る。

このようなものに行き当たるので、
なかなか、本来のシューベルトの話に戻れないのだが、
ヴィヴァルディもまた、シューベルトと同様、
ヴィーンに拒絶されて死んだ作曲家なのである。

すでに少し書いてしまったが、物語はシンプルである。

登場人物をまず、図表的にまとめると、

オットー皇帝  →  クレオニッラ(皇帝の愛人)
  ↑         ↓    ↓
忠臣デチオ    カイオ ← トゥッリア(変装してオスティーリォ)

という感じでシンプルである。

なお、オットー皇帝はクラウディウス帝であり、
クレオニッラは、メッサリーナ皇妃のことだという。
中公文庫にあるモンタネッリ著「ローマの歴史」でも、
「五十近くになって四度目の妃、
十六才のメッサリーナを迎えたが、
この女性は古今東西の王妃皇妃のうちで
もっとも破廉恥であったと伝えられる」と明記されている。

このオペラを聴くと、そのあたりのことが、
とても良く実感されるので、乞うご期待である。

第1幕のシーン1は、こんな感じで始まるらしい。
杉の並木道、陰深いあずまや、そして、
花の壺で飾られた噴水がある、
皇帝の別邸内にある庭の心地よい場所。
クレオニッラが一人、胸元を飾るための花を集めている。
解説によると、プールもあるようだ。

Track1、2は、こうした心地よい場所にふさわしい、
しゃれた序曲である。
アレグロは、小刻みなヴァイオリンの掛け合いも美しく、
わくわく感が、高まって来る。
続くラルゲットは物憂げで、しっとりとしていて、
これまた上質な出し物を予告させる。

Track3、4は、皇帝が愛するクレオニッラが歌う、
レチタティーボとアリア。

「オットーネは、美しいクレオニッラを激しく愛しているが、
彼女は胸元を飾る花を集めようとしていることを、
オペラの冒頭で歌う」と解説にあるが、
ここでのレチタティーボは、
皇帝に愛される身でありながら、
ハンサムな別の男を愛してしまった、という不埒なもの。

アリアでは、きれいな花が、いかに惹き付けるかを歌っている。
クレオニッラは、マリア・ラウラ・マルトラーナという、
若干、悩ましげな声を持つソプラノが担当している。
ヴィヴァルディの歌もまた、陰がある。

Track5、6、7は、このハンサムな男、カイオと、
皇帝の愛人のシーン。
カイオは、クレオニッラが一人であることを確かめ、
彼女は彼が来たことで喜ぶ。
カイオは、このオペラでは、
唯一のカウンターテナーで、
他の配役に比べ、人工的でへんてこな感じがする。
やはり、ハンサムボーイだから人工的なのか。

クレオニッラのアリアは情熱的なもので、
激しいリズムがエキゾチックである。

「私の目の光。憧れるのはあなた」と、
べたべたの歌であるが、大変素晴らしい。
オペラというか、室内カンタータのようでもある。

Track8、9は、皇帝がやって来る部分。
何と、オットー皇帝の役は、
メゾ・ソプラノのトゥーヴァ・セミニセンが担当。
澄んだ声が、話しかけるのでびっくりした。
「わが帝国を思うことも忘れ、
あなたの美を楽しむかもしれぬ。」
などと、のろけているが、
クレオニッラの方は、やけに興奮して絶叫している。
「ああ、あなたは、昔ほど、私を愛していないわ」。

アリアは、クレオニッラのもので、
歌い終えると出て行ってしまう。
「私の痛みを和らげようと思うなら、
もっと愛して下さい」などと、
可憐な感じで歌うが、かなりのやり手である。

Track10、11は、恋敵の、
カイオとオットー帝二人のシーン。
「もう、彼女は愛してくれないのか、
君はひんぱんに会えていいなあ」などと嘆く皇帝に、
カイオは、「あほじゃなかろか」と言っている。

ヴィヴァルディらしい協奏曲的展開を見せると共に、
胸苦しいアリアはオットー帝のもの。
メゾ・ソプラノで歌われ、皇帝は皇帝でも、
威厳ある皇帝ではなく、まだ、幼い、
あどけない幼帝に思えたりもする。

が、たぶん、この皇帝は、心のきれいな人なんだろう、
などとも考えてしまう、澄んだ響きである。

Track12、13は、オットー帝が去った後、
カイオは、「彼女の巧妙さは芸術的だ」などと褒めている。

続いて、トゥッリアが入って来るシーン。
あの、マリナ・バルトリ登場である。
それはともかく、カイオの恋人なので、彼はピンチではないか。
が、どうやら、彼女は、変装しているようだ。

「オスティーリォ、あなたの声はトゥッリアを思い出させる」
などと言っているからである。
が、「新しい愛の強さは、古い愛を消滅させた」などと、
ヤバいことを言ってしまったりしている。

アリアは、カイオのもので、
悪戯っぽい感じがするもの。
「愛が変わらない、などと言う人は、
幸福に無関心か、自分を否定している」
などと浮気を讃える歌を歌った後、彼は退場。

Track14、15は、シーン6で、
オスティーリォに変装したトゥッリアひとり。
あのマリナ・バルトリの歌が聴けるうれしい部分である。
「裏切り者、復讐は決まっているわ」と恐ろしい。
しかし、この人の澄んだ声は、前回、DVDでも感心したが、
ここでも美しい。

アリアは、何となく、ヘラクレスでも使われていたような、
聴いた事がある、親しみやすいメロディである。
「愛するものは、どうするか分かっているの。
不実な人に、復讐するために。」
伴奏の多様な色彩感の豊かさも特筆したい。

Track16、17は、シーンが変わる。
場面は、背景に滝の見える美しい木立の中、
「キャンペーン・ベッド」を備えた入浴施設。
キャンペーン・ファーニーチュアが戦場での家具らしいので、
持ち運びできる簡易ベッドみたいなものだろうか。

クレオニッラは、入浴を済ませ、
オットーが手を取っている。
しっとりとしたチェンバロがなまめかしい。
オットーは、彼女の湯上がりの姿を賛美している。

デチオが入って来て、
皇帝がローマを空けていることに警鐘を鳴らす。
皇帝を演じるのがメゾソプラノに対し、
デチオは、ルッカ・ドルドーロというテノールがうけもち、
とても勇ましい。

「デチオ(皇帝の忠実なカウンセラー)は、
ローマが彼の不在について不平を言っていると皇帝に伝える。」
とあらすじにある部分。
しかし、皇帝は受け付けず、
デチオも皇帝の思考が正常でないことに困惑する。

オットー帝のアリアは、
「ローマは勝手にじれるが良い」といういらだたしい部分に、
「私は愛に生きる」という、独白調の部分の対比からなる。
後者の夢遊病みたいな表現が印象的。

Tack18、19は、皇帝はいなくなって、
クレオニッラは、ローマでの自分の評判を、
デチオに尋ねる。
デチオは、ずばっと、その好色がいけない、と言っている。
だから、そのアリアも、
「いかれた楽園だ、一度、王の愛を失ったら終わり。」
というような内容である。

デチオ、クレオニッラのところには、
オスティーリォに変装したトゥッリアが来ている。

Track20、21は、この人たちの会話。
カイオを巡る恋敵の二人である。
が、トゥッリアは男の恰好をしているので、
クレオニッラは色目を使いながら、
秘密を言っていいか、などと、
その恋心の相談を始める。

そして、カイオは?などとトゥッリアが聴いても、
そんなのもう、どうでも良くなっちゃった、みたいな感じ。

アリアも、オスティーリォに対する情熱を歌ったもので、
伴奏にオルガンも活躍して、非常に量感のある、
それゆえに情念の高ぶりが素晴らしい。

Track22、23は、クレオニッラは去り、
それをこっそり聴いていたカイオが怒る場面。
カイオは、まだ、オスティーリォにいて欲しいようだが、
「いいえ、行かなければならないわ」という、
意地悪っぽい小唄を歌って、トゥッリアは行ってしまう。

「はい、はい、私は行かなくては、
いいえ、いいえ、聴いている暇はありません」
のモティーフを繰り返すのは、
「ヘラクレス」にもあったし、
(まさしく、マリナ・バルトリが歌っていた)
ヴィヴァルディの得意技だ。

Track24、25は、嫉妬に苛まれるカイオ一人。
まさしく嫉妬に狂うだけの部分。
単純なチェンバロの序奏からして、めらめら感十分。
アリアは、オーケストラも燃え上がり、
壮絶なものである。
超絶な技巧を駆使し、チェンバロが煌めき、
すごい激烈さ。
それにしても、すごい野心的な表現を散りばめた作品だ。

以上で、第1幕は終わる。

第2幕:
Track26.花咲く沈床園で、デチオはオットーネに、
ローマは、クレオニッラの行状が許し難しとしており、
これは、皇帝の凋落につながると進言する。
Track27.オットーは目を開き、
典型的な18世紀風標題音楽アリアで、
心の混乱した状態を嵐の海の砕ける波と比較します。

Track28.デチオは、慎重に、
皇帝には彼のライバルはカイオだとは知らせず、
カイオにも、皇帝が何を怒っているかを説明しない。

Track29.デチオは、王は偽られた、
何が王座にとって必要だろう、
というアリアを歌って去る。

Track30.あからさまに置き去りにされたカイオは、
不幸に苛まれ、隠れていたトゥッリアに立ち聞きされ、
彼女は、エコーのように彼に答える。

かなり幻想的なシーンだ。
「あなたは、詐欺師。」
「私を詐欺師と呼ぶその音は誰のもの。」
「捨てられながらあなたをまだ愛している女。」
「頭がおかしくなりそうだ。私は絶望の中に沈む。」
「あなたの苦しむ魂は私の報復。」

Track31.何と、ロッシーニを先取りする、
いや、もっと不気味な木霊付きアリアである。
「木霊は不幸な魂の声だと名乗り、カイオを苦しめる。
短い伴奏付きレチタティーボの中で、その悲しみは描かれ、
エコーのアリアが答える。
オスティーリォは前に出て、心の中の二人の暴君、
憤慨と愛のせめぎ合いを歌う。」

幻想的なカウンターテナーとソプラノの声の交錯の中、
活発に楽器群が感情を書き立て、
恐ろしくロマンティックな音楽である。

「ああ、変わらざる心、このような仕打ち。」
「あなたは嘘つき。嘘つき。」
「影よ、風よ。」
怖すぎる。

以上でCD1は終わる。
以下、CD2:
Track1.
偶然のようにオスティーリォに偽った、
トゥッリアが、カイオのところに現れる。
「カイオ、何を嘆いているの。」

Track2は、カイオのアリア。
これは、軽妙なもので、カイオは、
ライヴァルが、実は自分の恋人である、
オスティーリォだと考えているので、
「ああ、悪いライバル、
何をやっているか知っているぞ。
私の報復で打たれるだろう」などと、
見当違いな歌である。

Track3、4.
カイオは去ったので、トゥッリア一人。
嘘つきは駄目、いくら後悔させようとしても駄目。
「2つの暴君、一つは憤慨、そして愛」というアリア。
しかし、これはヴィヴァルディらしい快活なもの。

Track5、6.
「クレオニッラが鏡に映し、自賛している、
田園風のあずまやに場面は変わる。
カイオが入っていくが、愛の言葉は、さりげなく拒絶される。
彼は気持ちを伝える手紙を彼女に渡す。」
この二人の対話であるが、アリアはカイオ。
「手紙を読んで欲しい」という、
しっとりした愛の歌である。
ヴァイオリンの序奏が繊細で魅惑的。

Track7、8.
「ちょうどクレオニッラがそれを読むところで、
オットー帝が到着、彼女からそれをひったくる。」

腹をくくったクレオニッラは、読んで見て下さい、
などと言っている。
オットー帝は、やはり、ローマでの噂は本当だったか、
と嘆くが、何と、クレオニッラは、
カイオが、彼を裏切ったトゥッリアに出すものだ、などと言う。

オットー帝はころっと騙され、
アリアは、皇帝をなだめるようなもの。

クレオニッラは、さらに手紙を書いて、策略を進める。
何と、書いた手紙を、皇帝に持って行けというのである。

Track9、10.
その間、デチオが現れ、
ローマでのニュースを伝えようとするが、
皇帝はそれを遮り、カイオを呼ぶように伝える。

Track10は、クレオニッラのアリア。
何と、哀れな一途な心、とか歌って、去っていく。

Track11、12は、皇帝と忠臣のシーン。
ローマでの話はさらに嫉妬をかき立てる、
それより、カイオを呼べと皇帝。

Track12は、話を聞いてもらえない、
デチオのアリアである。
深刻なものではなく、単純で声も伸びやかである。
デチオは出て行く。

Track13、14は、オットー帝が、
手紙を読みながら、カイオを待つ。
何と、手紙には、「皇帝の愛人よりトッゥリアに」とあり、
カイオとの愛を大事にしないなら、許しませんとある。

カイオが来たので、皇帝は、これはお前が書いたのか、
といい、分かっておる、分かっておる、
トゥッリアにはクレオニッラが手紙を書いてくれた、
と言って、調子よくアリアを歌う。
「君の嘆きには同情するよ」と、しっとりした、
いかにもイタリア古典歌曲みたいなのを歌う。
弦楽の優しい寄り添いも嬉しい。
オットー帝は去る。

Track15、16は、カイオ一人。
クレオニッラの策謀に感心して、
アリアでは、
ラッキー、網から逃げた鳥のようだ、
と歌っている。
このアリアも、「ヘラクレス」で出て来たような音楽だ。

Track17、18.
カイオもいなくなって、トゥッリアがひとり入って来る。
あの人は私の言葉など聞かないだろう、
おかなりお怒りである。
激烈な部分と、内省的な部分からなる、
復讐のアリアで、この幕も終わる。
弦楽もぎざぎざして、めらめら感が出ている。

第3幕:
Track19、20.
木陰の小道で、デチオは、
再度、ローマで待っている危機を、
皇帝に告げようとするが、
アリアの中で、皇帝は、愛の幸福がある限り、
王位も帝国も問題外だと宣言する。

軽妙なアリアで、まったくもって困った皇帝である。
時折、聞こえる古雅な小型オルガンの響きが美しい。
好き勝手歌ったあと、彼は出て行ってしまう。

Track21、22.
デチオは、こりゃ駄目だと皇帝失墜を予測。
あの女にめろめろだ、と言うと、
ああ、カイオとクレオニッラが来たことを見つける。

アリアは、恋人になってしまうと、
奴隷であって、王様などではない、
と歌われるが、困ったさんの感じがにじみ出ている。

Track23、24.
まだ、ごちゃごちゃとカイオはクレオニッラに言い寄っている。
見苦しい。
アリアは、「もう、あなたを愛することは出来ません。
哀れみもありません」というクレオニッラのもの。

びしっと言い聞かせる感じ。
CD1のTrack23のように、
Yes、Noの、同じ言葉を強調して繰り返す、
ヴィヴァルディではよくあるもの。

Track25、26.
カイオの嘆きは女々しい。
オスティーリォに扮したトゥッリアが来る。
カイオは、オスティーリォに、あっち行け、
二人にしてくれと言うが、
クレオニッラは、むしろ、
というか、当然、オスティーリォの味方である。
二人の親密さをカイオに見せつける。

Track26のアリアは、
さすがヴィヴァルディの、技巧的なヴァイオリン助奏付きの、
しみじみした振られたカイオのアリア。
「私の苦痛を和らげて下さい」という内容。

Track27、28.
邪魔者カイオがいなくなって、すっきりした、
クレオニッラとオスティーリォのシーン。

クレオニッラは、側にオスティーリォを座らせて、
何か、言い寄ろうとしているが、
オスティーリォは、実は女性なので困っている。

アリアはトッゥリアのもので、
クレオニッラの親愛の情に答えながらも、
何か、間違っているわよ、という二面性のあるもの。

Track29は、影で見ていたカイオが、
オスティーリォがうまくやってるのを見て、
殺意を抱くシーン。

彼が飛び出て来たところを、
何という悪党、とクレオニッラはしかりつけ、
オスティーリォもひるまないで、罵っている。

Track30は、オットー皇帝とデチオが、
カイオを問いただすシーンだが、
すべての問題が解決するシーンなので、
ややこしくて長い。
カイオは、皇帝の愛人が、
オスティーリォに言い寄っていた事を暴露。
皇帝も今更ながらショックを受ける。

しかし、オスティーリォに変装していたトゥッリアは、
平然として、変装を解き、悪いのはカイオだと言う。
何と、一番悪いクレオニッラは、
ああ、助かったとか言っている。
さらに、皇帝は、トゥッリアに免じてカイオを許し、
二人を結婚させてしまう。

確かに、一番の阿呆は皇帝にも見えるので、
これくらいが当然であろうか。

Track31.大団円の合唱である。
カイオの喜びに唱和して、晴朗な合唱が歌われ、
オペラの全曲が終わる。

それにしても、クレオニッラをそのままにして、
皇帝の愛欲の日々は、まだまだ続くのだろうか。
早く、ローマの元老たちが誅殺すべきであろう。

史実では、クレオニッラ、メッサリーナ皇妃は、
やはり、こうした問題で殺され、
皇帝自身も、次の皇妃アグリッピーナに、
毒キノコで暗殺されたとされている。

ともあれ、そんな血なまぐさい事件は、
この瀟洒なオペラには無関係。
私は、かなり気持ちよく鑑賞した。

得られた事:「ヴィヴァルディのオペラの中で、最初期の作品とされる『別荘におけるオットー皇帝』は、予想以上に美しい作品で、ヴィヴァルディのオペラのエッセンスが詰まっている感じ。特に今回のCDは、廉価かつ演奏、録音とも良い。」
「特に、CD1最後の木霊のアリアは、ロマン派を予見した幻想性が素晴らしい。」
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by franz310 | 2011-10-02 14:49 | 古典
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