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クラシック音楽への愛と悲しみの日々(一枚のLP、CDから「書き尽くす」がコンセプト)
by franz310
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名曲・名盤との邂逅:1.シューベルトの五重奏曲「ます」その291

b0083728_2382248.jpg個人的経験:
ヴィヴァルディのオペラ、
「オルランド」関係がもう1曲。
こちらも、OPUS111レーベルから、
妖艶な表紙写真のものが出ている。
3枚組でひるんだが、前に聴いた、
「オルランド・フリオーソ」と
一緒に注文して入手した。
しかし、演奏者は違っていて、
スピノージの指揮ではなく、
こちらは、デ・マルキによるもの。


楽団も、アカデミア・モンティス・レガリスという団体。
歌手には、スピノージの指揮で、
ロッシーニの「試金石」でヒロインを歌った、
ソーニャ・プリーナが登場する。

こちらのオペラは、ややこしいことに、
「狂人を装ったオルランド」というもの。
「オルランド・フリオーソ」が、
「狂気のオルランド」と訳されるので、
この世界の素人は、完全に混乱してしまう。

が、こちらの作品は、ずっと初期の作品のようだ。
「オルランド・フリオーソ」は、1727年の作品であったが、
この「狂人を装ったオルランド」は、1714年の作品だからである。
この二つの年代は、シューベルトきちがいには、非常に覚えやすい。

100年を足した1814年と言えば、
ドイツ・リートの最初の傑作とされる「糸を紡ぐグレートヒェン」の年、
1827年と言えば、ドイツ歌曲の最高峰とされる「冬の旅」なのだから。

これらの作品に差異があるのと同じ理由かは分からないが、
このヴィヴァルディの2曲のオペラの印象もかなり違う。
あるいは、演奏者の趣向のせいかもしれないが。

ヴィヴァルディのオペラなど初めて聴く私には、
はるかに、「狂人を装ったオルランド」の方が楽しめた。
色彩が豊かで変化に富み、
ロッシーニのように、シャンパンが泡立つような趣きがある。

そのあたりの差異については、解説から読み取れないが、
この初期の作品が、かなり重要な作品であることは、
この解説を飛ばし読みしてもよく分かる。

3枚組の高価なCDにふさわしく、解説も立派である。
「ヴェネチア・オペラの最後の春」という題のものは、
5ページもある。

「1714年は、ヴィヴァルディにとって大きな転機の年だった。
3月4日、まさしく36歳になった日には、
満足すべき得票を得て、
ピエタ慈善院付属音楽院の協奏曲長の職を更新し、
最初のオラトリオ『ファラオの神モイゼ』が、
生徒たちによって演奏された。
1714年は、第2協奏曲集、
『ラ・ストラヴァガンツァ』が、
アムステルダムで出版されている。
そして、今や、彼の欧州での名声が高まる気配があり、
ピルナのクヴァンツなどはこの作曲家の協奏曲を発見、
その基本要素を、自身の作品の参考にしたほどであった。
ロンドンでは、パスティッチョ『アルミニオ』に挿入された、
ヴィヴァルディの最初のオペラ・アリアが、
キングス・シアターで、聴衆の前にヴェールを脱いだ。
そして最後に、ご当地ヴェネチアでは、
著名なドイツの作曲家シュティルツェルが、
マルチェッロ、ポラローロに会いに来て、
最近売り出し中の赤毛の司祭にも急いで賛辞を送って行った。
それに加えてその年の終わりに、
1714年の出来事の中で、最も重要なイベントがあった。
サンタンジェロ劇場における、
『狂人を装ったオルランド』の初演である。
ヴィヴァルディの最初のヴェネチア・オペラであった。
この音楽のための劇によって、
作曲家とセレニッシマ(ヴェネチア)の劇場は四半世紀の、
芸術的な恋愛関係で結ばれるのである。」

ものすごく高揚した文章で、
この部分を読んだだけで、この作品への興味が高まって来る。
ただ、これだけでは、このオペラがなんたるかが、
まだまだ分からない。

「この時点まで、ヴィヴァルディは、
ヴェネチアの公衆には、ヴァイオリン教師、
器楽曲の作曲家としてもっぱら知られていた。
彼はさらにヴァイオリンとヴィオラ・ダモーレの演奏で、
名手としても知られていた。
彼の遅すぎた劇場への登場は、
慎重に構築された型破りなキャリアの、
四方向作戦の最後のステージであった。
まず最初に、彼は、
作曲家でヴァイオリニストであった父親の隣で、
ヴェネチアの劇場のオーケストラ・ピットで経験を積んだ。
そしておそらく、彼は、ヴェネチア・オペラに君臨していた、
フランチェスコ・ガスパリーニの庇護を受けていた。
地道に何年か精を出して働いた後、
ヴェネト州で最初の控えめな光が射したのは、
1713年5月、ヴィチェンツァでの、
彼のオペラで知られているものの最初のもの、
『ヴィラにおけるオットーネ』の初演においてであった。
この通過儀礼の後、1713年の秋のシーズンから、
ヴェネチアの公衆の前に、サンタンジェロ劇場の、
慎ましい服を着た楽長として現れた。
オルガナイザー、プログラム・プランナー、
アレンジャー、作曲家として、
この困難な状況の中、仮面を被ったように振る舞った。
一年後、彼は、『狂人を装ったオルランド』で、
彼の戦略はまばゆいクライマックスを迎えた。」

彼の四方向作戦とは、
1.楽団員になった。
2.「オットーネ」を作曲し、初演した。
3.目立たない監督になった。
4.「オルランド」を作曲した。
ということであろうか。

父親も作曲家というのは知らなかったが、
ややこしい劇場での状況を熟知した彼が、
ヴィヴァルディのプロモーターだったのだろうか。

「最初のソナタ、作品1(1703/05)と、作品2(1709)から、
さらに明確には、革命的な協奏曲集『調和の霊感』(1711)から、
ヴィヴァルディは並外れた劇的センスを見せ、
各楽章は明らかに、オペラの1シーンのようであった。
彼の改革と挑戦によって、
作曲家は、舞台、情景、声を求める新しい表現の地平を拓いた。
これまで声のない劇場に閉じこもっていたこのオペラの天才は、
ヴェネチア・オペラに、『狂人を装ったオルランド』で花開いた。
この重要な作品は、やがて、急激な衰退を見せる、
ヴェネチア・オペラに新しい息吹を与えた。
何年も、ヴェネチア・オペラは混乱期にあった。
ヴェネチアの劇場に財産をもたらした、
前の世紀の古い劇のモデルは、
空疎化やバランスの喪失の中、
復活を求めてもがいていた。
音楽的に見ても、20年続いた、
栄光の三位一体、ポラローロ、ロッティ、ガスパリーニなど、
今となっては、時代遅れの基準からのみ、
識別できるような作曲家たちに対し、
新しい血を入れられるクリエイティブな芸術家はいなかった。
ただ、素人作曲家のトマゾ・アルビノーニだけが、
二つの世代の間にあったが、
アカデミックでなかったがゆえに、
このジャンルに近代性を注入したが、
しかし、なおそれは伝統に縛られていた。
この非凡な二人、ヴィヴァルディとその父親こそが、
まさにその時、
サンタンジェロ劇場をコントロールしえたのである。
そして、ここは、壮大なサンジョヴァンニ・グリソストモ劇場の、
唯一の競合となった。」

このサンジョヴァンニ劇場は、ヘンデルの「アグリッピナ」が、
演奏された劇場である。
やはり、ヴィヴァルディのパパは、ただものではなかったようだ。

下記の件も、パパが絡んだ作戦なのだろうか。

「ヴィヴァルディのヴェネチアにおけるオペラ作曲家としての、
最初の一歩は、注意深く計画されたものであった。
芸術的にも財政的にも、劇場に対し、完全なコントロールを行い、
特に1714年から15年のシーズンに巧妙な策略を、
作曲家は自由に行うことが出来た。
それに加え、前のシーズンの、
ジョヴァンニ・マリア・リストーリによるとされる、
『オルランド・フリオーソ』の成功が、
予想外に劇場の資金を予想外に豊かにしたので、
作曲家であり音楽監督であったヴィヴァルディは、
最初のヴェネチア・オペラに最高の条件で取り組むことが出来た。」

前回の解説にも、
1713年に、ヴィヴァルディが、
オペラの監督として登場した時、
彼は、もう一つのオルランドをひっさげていた。
その最初のオルランドは、
グラツィオ・ブラッキオーリのリブレットへの作曲で、
ジョヴァンニ・アルベルト・リストーリという作曲家名で出たが、
1713年秋の50回以上の上演、
そして1714年の秋、多くの改作を得て再上演もあり、
勝利を確立した。」
という一節があったが、
1713年に、リストーリ作曲の「オルランド・フリオーソ」、
1714年に、ヴィヴァルディ作曲の「狂人を装ったオルランド」、
という順番でヴェネチアの人たちは、
オルランドシリーズを楽しんだのであろう。

「事実、そのイベントのための資金は、
前のシーズンの利益と、
1715年の謝肉祭シーズンにおける出し物を、
再演にしたりパスティッチョにしたりして、
ドラスティックに削減した将来計画によって増加していた。
従って、投資はすべて、『狂人を装ったオルランド』に集中できた。
これは、この時のために書かれたオリジナルのリブレット、
特別に集められたコーラス、
高名なカナレットの父親、ベルナルト・カナルによる舞台デザイン、
ヴェネチアで高名だったメンバーや、
注目の若手を集めたトップ・キャストによって、
サンタンジェロ劇場でかつて上演された、
最もまばゆいオペラであった。」

「狂人を装ったオルランド」は、
ヴァリアント的なもので、
オルランドが愛するアンジェリカが出て来ないので、
物語としては、やはり物足りない感じ。
本家本元の「オルランド・フリオーソ」の、
後日談の感じのみたいな二番煎じ風なので、
1727年、ヴィヴァルディは改めて、
もっと有名なアリオストの原作に即した、
「オルランド・フリオーソ」を、
手がけたくなったというわけだろう。

この「狂人を装ったオルランド」のことは、
以下のように書かれている。

「この豊かに色彩的なドラマの叙事的なリブレットは、
フェラーラ出身の弁護士で、この二年、
活動的にヴェネチアの劇場生活を送っていた、
グラツィオ・バッチョーリ作である。
彼は、前年の『オルランド・フリオーソ』を含む、
いくつかの成功作の作者でもあった。
バッチョーリとヴィヴァルディのコラボレーションは、
非常に実り豊かで、
この度は、アリオストのオルランドではなく、
ボイアルトの『恋するオルランド』の中の話を採用した。」

ボイアルトの「恋するオルランド」は、
改めて検索してみると、
ウィキペディアにも出ていた。
1495年に出版された叙事詩とある。

ルネサンス期の傑作とされる、
アリオストの「オルランド・フリオーソ」は、
1516年の作品なので、
実は、ボイアルトの方がオリジナルなのであろうか。

私は、かなり間違った類推をしていた。
いずれも、当時はよく知られた作品だったのであろう。
とはいえ、何度も書くが、オルランドと言えばアンジェリカであるのに、
こちらのオペラにアンジェリカはエピソードとしてしか登場しない。

「考えられうる限りの堂々とした形で、
彼は、この作品を叙事的以上に絵画的に描き、
魔法、ドラマ、喜劇的要素を混ぜ合わせ、
この狂人に扮したオルランドの主題に、
スペクタクルなスコープを提供している。」

この調子で解説を読んでいくと何日もかかってしまうので、
早く音楽を聴いてみよう。

プロットは非常にややこしい。
魔女が出て来て、それを何だか分からないオルランドが、
訳も分からず倒してしまう、という筋は、
「オルランド・フリオーソ」と共通だ。
ただし、魔女は、今回はアルチーナではない。
いたるところに魔女がいた時代と見える。

「オルガナ王国の中心に、
魔女エルジラが魔法をかけた城と庭園がある。
シャルルマーニュの勇士オルランドは、
エルジラの王国を終わらせるよう、
アンジェリカに委ねられている。」

ということで、あくまで、アンジェリカは、
オルランドが愛する女性の名前で不動。
アリオストの作品で描かれたように、
悪い女であるかは不明。

「エルジラの領土に入った時、
そこにはすでに、彼の師ブランディマルテ、
彼の同志グリフォン、この人の以前の女主人オリジレらは、
すでにそこにいる。
オリジレは、いまだ、グリフォンを愛しているが、
このグリフォンは、今や、
エルジラの抱える女司祭、ティグリンダを愛している。
ティグリンダはしかし、
エルジラを愛し警護する隊長アルジラーノに心奪われている。」

ややこしい。

ここでもまた、オルランドだけは、
このややこしい何角関係かに入っていないのがミソか。
部外者としてやって来て、気が狂って、
めちゃくちゃにするのがオルランドの常である。
アンジェリカを熱愛しているから、
そのほかの事はどうでもいい感じである。

ここまで書かれたことを図示すると、

                  ブランディマルテ(師)
                         ↓
オリジレ(女主人)→グリフォン(友)→オルランド
              ↓
         ティグリンダ(女司祭)
              ↓
         アルジリアーノ(隊長)
              ↓
         エルジラ(魔女)

となる。しかし、エルジラとか、オリジレとか、
ややこしいので止めて欲しい。
ここにはオルランドからの矢印を書かなかったが、
あくまで、オルランドはアンジェリカしか見ていない模様。

Track1~3.
序曲は、前の「オルランド・フリオーソ」同様、
弦楽とチェンバロの協奏曲が使われている。
前回はRV116というものであったが、
今回は、RV112というもので、
劇的にハープ(チェンバロ?)が煌めき、
怪しい感じも濃厚である。

いかにもヴィヴァルディの音楽だが、
このようにオペラの序曲として聴くと、
非常に表情豊かで絵画的であることが改めて認識される。

第1幕:
Track4~6.
「夕暮れ時、ブランディマルテ、グリフォン、
オリジレは、エルジラの領地を目指している。」

ブランディマルテを歌っている人を見ると、
メゾ・ソプラノのマリアンナ・ピッツォラートとある。
写真を見ても優しそうな美人である。

ややこしい。オルランドの師というから、
てっきりおっさんかと思っていた。

この人がいきなりTrack5でアリアを歌う。
「心を強くすれば、怖いものはない」という勇ましいもの。

ここからは、グリフォンとオリジレの二人となるが、
グリフォンはカウンターテナーのマーティン・オーロ、
オリジレはコントラルトのソーニャ・プリーナである。
あの「試金石」で、クラリーチェを歌った人。
復讐の場所が近づいた、とか言っているが、
魔女エルジラをやっつけるつもりらしい。

どうやら、ティグリンダ救出を狙っている様子。
ティグリンダは、魔界の隊長を愛しているのだっけ。

Track7~10.
「魔女は、アルジラーノ、ティグリンダと共に、
プルートの寺院の聖職者たちと、
ヘカテの女聖職者たちに囲まれて、
デモゴルゴンとプルートの寺院に入っていく。
エルジラは、オルランドを倒す力を、
魔法の剣に注入し、アルジラーノに委ね、
彼を、彼女を護るための騎士に任ずる。」

いかにも怪しい合唱でこのシーンは始まるが、
「オルランド・フリオーソ」では、あまり合唱が出なかったので、
これだけでゴージャスな感じだ。

「冥界の神、エレボスの娘よ」という歌詞もそれらしい。

エルジラは、ベルタノーリというソプラノである。
ティグリンダはメゾのマリア・コンパラート。
この二人の写真は、前者はいかにも性格女優風で、
後者はおすましである。

Track10のエルジラのアリアは、
さすが魔女だけあって、コケティッシュな節回しが魅力的だ。
和声も凝っている。
「あなたのかわいい瞳を和らげて、
心と魂を落ち着けるのです」とティグリンダに言い、
「希望の甘さが、皆の心をなだめます」と、
アルジリアーノに言う。

アルジリアーノは、地獄の隊長で、
いかついおっさんのはずだが、
メゾ・ソプラノってどういうこと?

Track11~18.
「儀式が終わると、陰謀と恋人たちの誤解が始まる。
この時点で嫉妬深いオリジレは、
グリフォンを妹のレオディラだと言って騙す。」

Track12で、ティグリンダのアリア。
これまた伸び伸びと美しく、
声域も広く跳躍してめまぐるしい。
「恐れの毒と愛への希望は、
魂の戦いの二つの翼で、
私たちの心を傷つける」。

Track14は、先の隊長、アルジリアーノのアリアで、
写真ではキュートな感じのマヌエラ・カスターの歌が聴ける。
かなり伴奏が協奏曲的な感じだが、
カスターは少しこの名技性の前に苦しげだ。
後半は、ヴァイオリン独奏のカデンツァが出る。
強烈なパッセージの連続だが、
ヴィヴァルディがこのパートを弾いたのだろうか。

「もしあなたが、ちらりと見るたびに矢を射たら、
その目で千ものハートを傷つけるでしょう。
でも、美女よ、剣を怒りで振り回して、
相手を傷つけようとしても、
それは無駄というもの。」

女と偽ったグリフォンはそれほど美しいのであろうか。

Track16では、そのグリフォンのアリア。
ピッチカートに乗った小唄的なもので、
爽やかな感じ。
「蜂は蜜を求めて、
赤いバラ、白い花、すみれと飛びかいます。
ああ、美しい人よ、蜂に聴いてください。
一途な愛は苦いもの。」

Track18では、オリジレのアリア。
「試金石」以来、久々に聴く、プリーナの歌である。
これはしかし、かなり内省的なものである。
「あなたの胸で心臓が弾むのを感じ、
あなたの愛する人には、慈悲がないのを感じるわ。」

Track19~23.
「岩に門が掘られ、金の枝の木々で護られた、
山頂にあるエルジラの城の夜明け。
アルジラーノが邪魔をしたにも関わらず、
これらの魔法の木を壊し、
いきなり、木立の木陰も深い、
斜面の魔法庭園のシーンとなる。」

隊長アルジリアーノが独り、
夜明けを賛美するシーン。
Track20では、しみじみとしたアリア。
「すべての神々のうち、最も輝かしいもの。」

Track21で主人公オルランド登場。
このオペラでは、この豪傑はバス。
アントニオ・アベーテという人が歌っている。
写真を見ると、恐ろしげな風貌。これは怖い。

彼等が戦う時には、痛快なファンファーレが鳴る。

Track22では、再び、アルジリアーノのアリア。
深々としたガンバのオブリガードを伴い、
「死は、ただ一つの望み、
ただ一つの幸福、
忌まわしい運命から、
それらが私を救いますように」という瞑想的なもの。

オルランドが最後に黄金の枝を引くと、
森は沈んで地下になる。
ごごごというオーケストラの効果もすごい。

こういうアクセント風のものは、
前の「オルランド・フリオーソ」より、
こちらの方が面白い感じがする。

Track24~27.
オルランドとブランディマルテは、暗い洞窟の中。
「木に覆われた丘の上から、
ニンフと牧神が、田舎の楽器に合わせて、
歌いながら降りてくる。
エルジラが現れる。
出くわしたのがオルランドとは知らずに、
彼女は侵入者を魔法のまどろみに誘う。」

ひなびた響きの爽やかな合唱も、
このオペラに変化をつけて楽しい。
「この喜びの天国で、
愛を讃える歌を歌いましょう」
と、さすが、愛欲の魔女の領地である。
それは素晴らしい天国だ。

オルランドも感じ入っている。
この神秘の合唱は、どうやら催眠作用があるようで、
師匠ブランディマルテは、必死で魔法の紙で、
この魔術をふせいでいる。
オルランドはハープの響きに包まれて、
これは気持ちよさそうだ。

Track28~29.
「この状況を見ていたブランディマルテは、
エルジラの前に現れる。
魔女は、すぐに彼に惹かれ、
未知の囚人を解放して、
彼を仲間にしようとする。」

ブランディマルテは、オルランドの師匠だが、
何と、同時にイケメンだったということになる。
ブランディマルテ自身、それには戸惑っている様子。

Track29でブランディマルテのアリア。
「愛は愛する人を苦しめることを望まない。」
と、しみじみと歌う。

Track30~31.
「独り残って、彼女は新しい愛を噛みしめ、
望みが取り戻されたと喜ぶ。」

愛する人の瞳は二つの星のよう、とか言って浮かれている。
Track31でアリア。
「喜びに打ち震え、花咲く希望」と、
いかにもヴィヴァルディの協奏曲風の明るいもの。

このように、頻繁にアリアが入り、
それらがまた多彩なので、とても親しみやすいオペラに思える。

CD1の最後に、第2幕の冒頭が入っている。
第2幕:
「オリジレは、今や、男のふりをしてオルダウロと名乗り、
女装男装の倒錯の中、好色な密通が続く。」
などと、いきなり解説に出て来たが、
トリスタン並みにヤバい第2幕なのだろうか。

確かにヤバい。
歌詞対訳に、
「ギャラリーは、さまざまな部屋に案内される」とあり、
シーン1(Track32)は、
「女装したグリフォンに、後からティグリンダ登場」とある。
グリフォンはティグリンダを愛するがゆえに、
この魔の城にやって来た男。
カウンターテノールで姦しく歌って、
まさしくオカマの風情である。
女中になりますわ、とかやっている。

さらにシーン2(Track33)では、
男装したオリジレまでが現れる。
オリジレは変奏したグリフォンに気づき、
暴露してやろうと考える。
何しろ、オリジレはグリフォンが好きで、
グリフォンはティグリンダが好きという関係である。

「しかし、それは彼の死を意味するわ」などと言っている。
そして、私はオルダウロだぞ、と言うと、
グリフォンは、この男はオリジレの双子の兄弟に違いない、
などと言っている。
何だか、ロッシーニの「試金石」みたいな設定である。
そういえば、シューベルトにも、「双子の兄弟」というオペラがあった。

Track34はグリフォンのアリア。
カウンターテナーらしく、切々とした感じ。
「私は女、それは、あなたの胸に愛を呼び起こす私の望み」
とかいって、ティグリンダの近くにいるための歌であろうか。

以上でCD1は終わる。

得られた事:「『オルランド』には、ボイアルト作(1495年出版)とアリオスト作(1516年)があるが、いずれも愛するのはアンジェリカ。」
「ヴィヴァルディの場合、劇場に入り込むために、親子二代で周到な用意を行った。父親を味方に出来なかったシューベルトには出来なかった裏技。」
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by franz310 | 2011-08-27 23:11 | 古典
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