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クラシック音楽への愛と悲しみの日々
by franz310
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クロメダカちゃんの物語の結末。KGB愛の野望の挫折。

b0083728_2158171.jpgデパ億総務庁の店長が、
うかつにも、未確認で
送信した電子メールは、
何と、KGB愛の
euショップではなく、
これまで、
総務庁が、
いたるところに
張り巡らせていた、
メダカのネットワークのすべてに
即刻、送信されてしまった。


これは、先日、最高機密を握っていた、
怪しいドジョウの行方を捜すため、
店長が独自のネットワークを駆使して、
特別なアドレス指定をしたままに
設定していたから生じたアクシデントであった。

そうはいっても、この時送った文書は、いかにも内容がやばすぎた。

ペットショップをこのまま、デパートの屋上に設置しておいたままでは、
デパートの衰退と共に、自分の身も危ないと、常々感じていた店長が、
最近話題の、「エチュード大見得」など駅中商店街に進出すべく、
無尽蔵の妄想と創造力を膨らませて、書きまくった、
あることないこと全ての構想、可能性が、
誰にでも、一目瞭然となる形で書かれていたからである。

しかも、顧客の要望に応え、署名欄には、「KGB愛、euショップ」と、
皆が知っている、話題性のある企業、ブランドの名称が書かれていた。

つまり、この文書を見れば、KGB愛の次の構想が、
まさしくおサイフ携帯を使った、顧客の財産操作にあると、
誰にも信じさせずにはおれないという内容となっていたのである。

さらにやばいことには、耐震偽装とか、通信と放送の融合とか、
光通信とか、興味深い技術キーワードなどもちりばめてあったから、
ネットにでもUPされれば、冗談ではなく、
世界中にたちまち伝播され、流布してしまうような代物であった。

店長の送った情報は、
各地に売りさばかれたメダカのハードディスクに転送、入力された。

無垢なメダカは、そのデータを音声再生しながら、回りに言いふらした。
メダカの回りには、様々な生物がいて、伝言ゲームのように、
そのうわさは、文字通り尾ひれをつけて広がって行った。

「KGB愛のおサイフ携帯はやばそう。」

そうした噂がメダカからメダカへ、
メダカから魚へ、魚から犬猫へと、
いわゆる食物連鎖の流れを模して広がって行った。

ところが、さすがは優良企業。
KGB愛の素晴らしいところは、そこからであった。
一部の猫から、その情報を察知、
早晩、人間にもその情報がリークすることは明らかになったとして、
即時、この事業を停止したのである。

某キャリアが、小さな疑惑に対し、ソフトに対処しようとして、
むしろ、バンクバンクバンクと、やられたような失態を演じる前に、
完全対処を決定したのである。

「むしろ、我々の計画の方が、革新的にソフトなバンクだったのにい、
残念なことですわあ。」
などと、euショップ店長の穴須タシアは、なぜか平静であった。

実は、すでに、本国からは、方針変更の通知が来ていた後だったからである。

「ムシロ、イマハ、エネルギーカンケイヲ、キョウカスベシ」

というのが、プッチンしたTOPの指令だったのである。

さっそく、KGB愛のeuショップは、サハリン2号からの天然ガス、
ではなく、さばリン2号からの天然魚油を、
灯油にして売り出す方向に進路を変更していたのである。

もちろん、これまで、モバイルめだかの開発を通して、
デパート屋上のペットショップに流れていた資金は、
それこそプッチン大統領と、途絶えてしまった。

デパ屋総務庁、店長の野望は、JR麩菓子日本と協賛して、
エキナカにペットショップを進出させようとする夢と共に、
露と消えてしまった。

慌てて、懇意のDog・OFFの社長に、
研究継続のための資金援助を訴えたが、
もう、これだけ、町中の猫が知っているとすれば、
すぐにでも、扱っている犬たちの耳にも入るであろう、
今動くのは危険すぎるというのが、彼の判断であった。

というわけで、
いま、店長は、失意のどん底にいるが、
最近になって、テッポウウオを利用した、
自然環境重視型のお尻洗浄便座の特許が登録となり、
何とか、そこに希望を見出していると聞く。

メダカの耐震偽装から発展した、この一連のIT戦略を巡るドラマは、
国家の存亡をかけた緊急事態に至る前に、こうして2匹のクロメダカと、
ドジョウたちの、命をかけた活躍によって阻止され、
めでたく収束、落着したわけである。
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by franz310 | 2007-01-01 22:09 | どじょうちゃん | Comments(0)

デパ屋ペットショップ店長、エキナカを行く。

b0083728_0321765.jpgデパ屋総務庁、店長が、
帰宅時に駅中を歩いていると、
後ろの方から、
ある会話が聞こえてきた。

話をしているのは、
若い男の二人組であった。
その話は、
まるで示し合わせたように、
店長が、
目下研究している、
ポイントカードについての
命題なのであった。

店長は、この偶然を、
驚きながら、耳を澄ませた。

「ポイントカードがあるとさあ、
まじ、買うものがなくても、
ついつい行っちゃうってこと、
あるんだよなあ。」
「まじ、それあるよな。」

「○×電機はさあ、
店に行くだけでも、
ポイントがついちゃうんだからよお。」
「まじかよ、行くだけでえ。」
「まじだよ。毎日行くだけで、
電池くらい貰えそうなんだよな。」
「まじかよ。」
「まじだよ。」
「ホント、まじかよ。」
「ホント、まじだよ。」

その時、店長の脳裏に、ふと、ある真理が思い浮かんだ。

その真理は、話題のウェブ2.0といったテーマにも、
ダイレクトに直結する真理とも思えた。
つまり、「ロングテール理論」。

この理論は、そもそも売れる商品は、非常によく売れるが、
それは、非常に限られていて、
売れない商品は無数にあるが、徹底的に売れないという現実に対し、
この、売れない商品の長い長いリストを、しっぽに見立てたものだ。

しかし、広い世界を見渡せば、
一般的には売れないとされた、その長い尻尾の中の一品が、
欲しくてたまらない人がいる。
その人にだけ、買ってもらえればよいではないか。
その長い長い尻尾がすべて、無駄なく売れるとすれば、
これはこれですごい商売になるというわけだ。

従来、くずのように思われていた、売れない商品が、
ウェブの世界では、ダイレクトに、欲しいユーザーに
届けることが出来る。

これと同様、期限が切れたり、カードを紛失したりして、
くずのように捨てられてきたポイントがある一方で、
こうして、毎日通ってでも、
ポイントが欲しくて欲しくてたまらない人がいる。

「そういえばよお、今日はDog・OFFでよお、
ポイントが溜まらないからよ、
まじ、店員に文句言ったんだ。」

ふと、そんな会話も聞こえてきて驚いた。
店長は、自分も付き合いのある、Dog・OFFの話題が出たようなので、
思わず、声のする方向に、耳を傾けていた。

「そしたらよお、店員のやつ、カード提示がありませんでしたから、
とか言いやがってよお。まじ、驚いたぜ。
普通、お前が、先に、カード出すように言うもんだろって、
まじ、どやしつけたくなったぜえ。」
「まじかよ。そりゃあ、ひでーなあ。まじ、ひでーよ。」

ああ、あの社長も、結構、悪いことをやってるな、
そう考えて、店長は嬉しくなった。
そして、素晴らしいアイデアの構想を続行した。

そうだ、ポイントが欲しくてたまらない、こうした人たちに、
ポイントなど、いらない人たちが持っているポイントを、
売りつけてしまえばどうだろう。
あと1ポイント貯めれば、500円のものを購入できる場合、
ひょっとしたら、1ポイント499円で売れるのではないか。

つまり、ポイントは、場合によっては、いかなる価格にも出来るのである。
そのポイントは、新たに発生させる必要はない。
次の瞬間にも失効するポイントなど、いくらでもあるからだ。
この失効するポイントの持ち主から拝借すればよい。
どうせ、失効するのだから、気が付きもしないし、何のアクションも起こすまい。

店長は狂喜した。
ついに、夢見ていた世界、自分がポイントの世界の中心に君臨し、
自由自在に、世界中のポイントを操るのだ。
モバイルめだかにポイントを貯めておき、
有効期限付きとする。
そうして、有効期限が来る直前のものは、
すべて、自分が貰い受けよう。

だから、タオル・レガードの閉店間際に、
モバイルめだかを持って店内に潜入する。
そして、その日を持ってポイントが消失するお客様の、
居場所をすべて確かめてみる。
GPS内蔵のタイプのめだかなら、すぐに居場所が分かるはずだ。
そして、到底、タオル・レガードに、
来ることの出来ない距離にいるお客様のポイントは、
失効するしかないのである。

それをごっそり、遠隔操作で頂いて、
自分で使ってしまうわけだ。

店長の脳裏には、尊敬のまなざしをした店員に、
「ポイントがいっぱいになりましたね、お客様。」
と言われる瞬間が思い描かれた。

「もうこれで、若い店員に、軽蔑されることはない!」
店長の口から、そんな言葉が飛び出たので、回りを歩いていた人たちは、
驚いて振り返ったりしていた。
しかし、店長には、そんなことは何の問題にもならなかった。
考えても見たまえ、ポイントが溜まらずに、期限切れになって、
失効したカードが、何度、あの店員たちによって、屑箱に入れられたことか。

そして、見下したような表情で、
「お客様、このカードは、すでに期限が切れておりますね。」
などと、馬鹿にされることもなくなるのだ。

何なら、その失効めだかのお客様のポイントは、
そのまま残しておいても良いのだぞ。
そうそう、あくまで、溜まっているように表示しておけばよい。

ふっふっふっ、そのポイントがすっかり使われたことを、
別に知らしめる必要などどこにもないのだ。
お客様には、使われずに失効したポイントを眺めながら、
ため息の一つでも吐く楽しみを残しておいてやろう。

そう、スタンプみたいに、印字だけは残してやっても良いぞ。
どうせ、使えないことにはかわりはないのじゃ。

店長は、浮かれまくって、家路を急いだ。
エキナカの賑わいを見て、いつか、この中に、
自分もペットショップを構えるのだ、と思うと、
また、さらに気持ちが高ぶってくるのである。

駅を出ると、空の低いところに三日月が見えていた。

そして、店長は、景気づけに駅中商店街で買った、
コンビニのロースかつ弁当を平らげると、
さっそくパソコンに向って、この素晴らしい発明の特許出願用書類を、
まとめ始めたのであった。

すると、アイデアが泉のように湧いてきた。
その失効ポイントをこっそりくすねるというのは、
あまりに革命的で、頭の固い特許庁審査官には、
理解できないかもしれない。

失効間近のポイントをお持ちのお客様から、
いくらかの現金で購入できるようにしてもよい。

さらには、モバイルめだかの他のサービスと交換してもよいぞ。
たとえば、タオル屋の2000円近くのポイントが溜まっている場合、
ペットショップの、金魚藻くらいとなら引き換え可能にしても良い。
あるいは、誰も聞きたくない着うたか何かにでも変更しても良いぞ。

そうだ、アライアンスが有利になるように、
KGB愛が考えそうな、アイデアも盛り込んでやろう。
例えば、レスモなんかどうかな。
レーニンの革命理論でも、ポッドキャスティングできるようにするとか、
スターリンの演説でも、毛沢東の語録でも、何でもござれだ。

店長は、夜が更けるのも気づかず、
ひたすらに実施例を追加していくのであった。
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by franz310 | 2006-12-17 00:39 | どじょうちゃん | Comments(2)

デパ屋店長、閉店後の新ペットショップ戦略構想

b0083728_23552250.jpg人気ない店内で一人、
デパート屋上の
ペットショップ店長。

見れば見るほど、
タオル・レガードの
ポイントカードは、
いまいましいものだと思った。

その時、
Dog・OFF社長が
言っていた言葉が、
ふと、脳裏にちらついた。

「モバイルめだかは、
電子マネーなんでっせ。
何だって
できるやないですか。」

ああ、それを思い出すと、
店長には、このカード上のスタンプを、
自由自在に操っている自分の姿が目に浮かぶのであった。

いかす、チョッキを着た店員さんに、
「ああ、お客様、おめでとうございます。
いっぱいになりましたね。
今日は特別、この中からどれでもお好きなものを、
お選びいただけますよ~。」

初めて、そんな優しい言葉をかけられる自分を想像する。
「この中」とは、限定で発売された、
オリジナルデザインの、復刻ものの名タオル!
あるいは、タオル工房の巨匠たちのサインが入った、
この店でしか手に入らない特製タオル。
ああ、そんなお宝タオルを、一度でいいから、
ぐわしと、手にしてみたいものだ。

そう、店員さんの若々しいその声に、
他の客どもは、羨望のまなざしを、
この私の方に向けるのだ。

そして、どれを選ぶかを、興味ふかげに見守っている。
私は、あえて、じらすように、あれかこれかと、
あのタオル、このタオルを手にしてみる。

おお、素晴らしきかな、モバイルめだか。
このポイントを、自由自在に操る自分が目に浮かんできた。
ちょっと、ポイントが足りない時は、そっと、
他のお客さんのポイントを拝借する。

気に入らないお客さんのポイントは、
すこしずつ減らしてやる。
40ポイントで1000円といいながら、
こっそり、50ポイントで1000円という規定に書き換えてしまう。

ああ、そんなポイントカードシステムが欲しいなあ。
メダカの中のハードディスクに入った情報なんて、
ちょっと、色気が足りないなあ。
やはり、タオル・レガードみたいな、
スタンプ式の方が、どんどん増えていくことが、
目に見えて明らかなのだがなあ。

店長は、モバイルめだかの研究成果を、
今度は、ポイントカード式のスタンプ型テントウムシとか、
スタンプ模様のスポッテドサラマンダーとかに、
応用してやろうと考えた。

店長は、このナイスなアイデアを持って、
また、携帯会社の「KGB愛」にでも、
売り込んでやろうと考えた。

ところがである。
閉店後、静まり返ったデパート屋上のペットショップ。
そこに、いきなり、電話がかかってきた。
店長は飛び上がって、受話器を取った。
「はい、デパート屋上、デパ屋総務庁研究室です。
あっ、いや、違います。そのう、そう、ペットショップ店長です。」

電話の向こうの声は、若い女性であった。
「デパ屋てんちょーさんですかあ?
ちょと伺いたいのですがあ、
モバイルめだかのけーかくは、
まさか、どこかに漏れている危険はないでしょーね。」

ちょうど、それを発展させる計画を考えていたところだったので、
さすがに店長もうろたえた。
一体、何者だ?

「失礼ですが・・。」
「おっ、失礼をばいたしましたあ。
私は、KGB愛のeuショップ、
穴須タシアですう。」
「ああ、穴須さんでしたか。
あの、エカチェリンブルク以来ですな。
モバイルめだかですか?
まあ、その心配はないと思いますが。」

「実はあ、先程、我々の事務所にい、
奇妙などぜうがあ、参りました。
どやら、あの計画を知っているようで、
いろいろなことを問いただすので、
一服、盛っておきましたあ。
あの、話題になっているう、
放射性物質で、ころっと逝ったはずですう。
そのどぜうに、何か心当たるものないですかあ。」

「どじょうは、扱っておりませんねえ。」
事実、店長は、この前、一匹、不審な行動をしていたクロメダカを葬ったが、
どじょうには、心当たりはなかった。
「もいちど、確認しますがあ、どじょうはあ、扱ってませんよねえ。」
穴須タシアは、帝政ロシアの皇族の血を引くという噂があるくらい、
その姿は高慢、話し振りは傲慢、電話口でも、妙に迫力のある詰問である。
KGB愛の幹部なので、その手の活動には慣れているのだろうか。

店長は、先日、起こった事を、
一応、説明しておいた方が安全であると判断した。
「実は先日、モバイルめだかの試作品が、妙なところから、
耐震偽装のことを嗅ぎ付けて、我々のことを、興味本位に、
調べようとしたことがありましてね。
このクロメダカは、ハードディスクを遠隔操作で、粉砕しておきました。
こういった個人情報の管理が、
非常に重視され、求められる時代ですからね。」

「そのメダカが、どこからソレヲ知ったのかあ、ちゃんとお、調べましたか。」
「一応、データ消し忘れの旧規格品のデータが漏れたようですが、
こちらは、すでに、破壊してあります。」
「何となくう、ずさんなあ管理のよですが、だあいじょうぶなんですよね。」
先方は、まるで、信用していない様子である。

が、店長は、メダカのネットワークに関しては、非常な自信を持っていた。
「大丈夫です。こう見えましても、このデパートの屋上には、
地上を網の目のように監視する巨大アンテナが設置してありまして、
出荷したメダカに関しては、
すべて、行動がモニタできるようになっております。」
「そなら、ええのですがあ、もう一度お、そのクロメダカとやらが、
ちゃんと、粉砕されているかを、確認ねがいますう。」
「了解しました。」
そう答えると、電話は一方的に切られていた。
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by franz310 | 2006-12-07 00:02 | どじょうちゃん | Comments(2)

デパ屋店長、タオル屋のカードを睨みつける。

b0083728_095251.jpgとはいえ、
デパ屋総務庁店長は、
まったくもって、
面白くなかった。

開発にも携わった
自分こそが、一番、
モバイルめだかの
特性を
知り尽くして
いるつもりだったが、
他所からふらっと
来たおっさんに、
もっと、いかした
アイデアを、
見せ付けられた
からである。


やはり、実験室にこもってばかりいたら、ダメなのだ。
もっと、世の中を見回して、ずっこい事を考えなければ、
ビッグビジネスになど、なりはしない。

ビジネスにならないと、金が入らない。
金が入らないと、研究が出来ない。
したがって、まず、金、金、金である。

格差を是正する研究をする資金を得るには、
まず、この格差を利用したビジネスが一番である。
潤沢な資金を得て、何の憂いもなく研究に没頭する。
しかるのち、格差を是正すれば良いではないか。

だって、研究できないと、格差社会が到来するんだぞ。
到来する前に、何とかしないとダメでしょ。
デパ屋のペットショップでは、このような思考で、
日々の活動が遂行されていた。

「てんちょ~っ、このすいそー、
変な臭いしてるんすけど~。」

このような、深遠な思想を構築しているさなか、
バイトの姉ちゃんは、熱帯魚コーナーから、
なにやら大声で騒いでいた。

店長は、
俺は主席研究官だぞ、いちいち聞かずにさっさと洗えっ
と思った。
しかし、自分でやったほうが早いので、
わかった、わかったとだけ答えておいた。

そもそも、何故、あんなのが助手なんだ?
何故、もっと使えるのを本部は寄越さない。
ここで行なわれている最先端の研究が、
今後のIT社会のため、必要不可欠のものであることを、
何故、上役たちは、理解できんのだろう。

「てんちょ~っ、すいそーのぶくぶくがあ、
なんかツマってるんすけど~。」

この時、店長は、この女をあの社長に預けてしまおうと、
固く決意したのであった。

ああ、あの調和。統率。規律。それがうらやましかった。

「っれしぇいめせ~。」
あの声こそは、希望の象徴。

「っれしぇいめせ~。」
あの声こそを、叩き込まねばならん。

そうでもしないと、こいつの根性は叩きなおすことなど到底できぬ。
「ちょっと、黙ってろっ!」
「あ~っ、パワハラだ~。てんちょ~パワハラ~。本部に訴えるんだから。」
姉ちゃんは、ポンプのチューブを引きちぎらんばかりに震え、
こちらを見て、睨みつけていた。

「あー、分かった分かった。悪かった、悪かった。俺が悪かった。」
「あ~っ、てんちょ~、いじけちゃった~。いじけてんちょ~。」
「・・・」

バイトの姉ちゃんが帰った後、
ようやく、集中できる時間がやってくる。
店長は、ポケットから、一枚のカードを取り出した。
「タオル・レガード」のポイントカードだ。

もっと、いかすアイデアが、ここから思いつかないだろうか。
何が、Dog・OFFだ。

思えば、このカードには、いつもいつも、泣かされてきた。
時々、ポイント3倍とか言って、たくさんポイントが付くのは嬉しかった。
それが楽しみで、買い物に行ったことすらある。
しかし、最後の最後には、必ず、裏切られるのである。

何故、自分だけが、こんな目に会うのだろう。
これこそ、格差社会だ。
格差を生んでいるのは、このちっぽけなカードなのだ。
そう考えると、店長の怒りに満ちたまなざしは、
ぎらぎらと、炎のように燃え上がるのであった。

デパートの屋上に照りつける、夏場の太陽。
ビアホールが始まる前に、日中、どのような難行苦行が、
この屋上で行なわれているか、知る人は少ない。

恐ろしい忍耐!

彼は、夏場の水槽洗いで、へとへとになるたびに、
大量のタオルを消費した。
新しいタオルでさっぱりするのが気持ちよくて、
近所の「タオル・レガード」に行っては、タオルを買って、
ポイントを貯めるのが習慣となっていた。

しかし、このポイントカード、500円でようやく1ポイント、
しかも。最低40ポイント貯まらないと、何の効力も発生しない。
さらに条件があり、有効期限は1年である。
これまで、このカードを何枚も何枚も貰ったが、
夏が過ぎると、タオルを買う機会もすっかり減ってしまうので、
絶対、最後まで貯めることが出来ないのであった。

500×40、500×40。
何度、この計算をしてみただろうか。
20000円である。しかし、もらえるのは1000円。
おい1000円だってよ。
たった1000円のために、意味もない買い物をしたのか俺は・・・。

同じタオルなのに、ドイツのフルトヴェングラー社のタオル、
イタリアのトスカニーニ製のタオル。
どれも、結局、同じタオルなのだ。

そして、翌年、うっかり、この期限切れカードを持って行こうものなら、
「残念でした、また、どうぞ。」
てな感じで、若い店員が、これを、これみよがしにぴらぴらさせながら、
こう叫ぶのだ。

「あー、このカード、期限が切れておりますねー。
あっ、お客様の機嫌も、ぶちきれそうに見えますねー。」
とかなんとか言って、ぽいっと、後ろのゴミ箱に投げ捨てる。
乾いた音が、店内に響き渡る。

周りの人が、みんなこちらを向く。

「期限切れですって。信じられない。」
「いやあ、人間。落ちぶれても、期限切れだけは、やっちゃいけないことだよなあ。」

そして、店員はと言えば、
何事もなかったかのように、新しいカードを作ってしまうのである。

おいおい、リサイクルの時代だぞ。資源の無駄遣いなんだぞ。

レガードとか言う名前をつけておきながら、思いやりなど、かけらもない。
まったく、心ない店員どもなのである。

「この方式を、何とか、モバイルめだかに応用できないものだろうか。」
店長は、あまりにも怒りに満ちた目で、このカードを睨みつけたので、
いつもより、タオルのデザインの汗が大きくなっているようにも見えた。
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by franz310 | 2006-11-30 00:30 | どじょうちゃん | Comments(0)

デパート屋上総務庁、ポイントカードに未来を見る。

b0083728_0171587.jpgデパートの屋上の一角に、
一見、ペットショップと
思しき施設があるが、
その実態は、政府直轄の
研究施設なのである。

そこでは、先端のバイオ技術、
遺伝子工学に、
オプトメカトロ技術が
駆使され、その成果が、
水槽や、檻や網の中に
集められている。

ただし、政府の予算は、
言うまでもなく、
政治家にも話を通しやすい
ゼネコン関係に多くが流れがち。


志、格調、ともに高く、
遠い未来をも想定しての
海のものとも山のものとも
思えないこんな研究などには、
ろくな資金など、回ってはこない。

税金による資金だけでは、どうしても足りない分は、
こうして、ペットショップの利益から捻出するしかないのが実態だ。

現在進行中の、最大のテーマは、デジタル・デバイド問題対策。

つまり、パソコンなど、デジタル機器を使える人と、
使えない人の間の格差問題是正に対して取り組んでいるのである。

実際、すでに、
パソコンの前で、株の売買をするだけで、
巨額の富を得る国民がいる一方で、
パソコンなどを置いた日には、
文鳥の水浴びや、ハムスターのひまわり食べかすで、
すぐにキーボードがいかれてしまうような劣悪な環境の職場で、
ひたすら、鳥だのトカゲだのに与える生餌のにょろにょろや、
水草の傷んだのを、毎日毎日、より分けて、
かろうじて研究資金を稼いでいる国民もいる。

こうした状況は、果たして正しいのだろうかと、
政府は考えている。
むしろ、愛国心を持って金魚に餌をやる国民こそが、
愛国心のかけらもなしに、金魚に餌をやる国民こそが、
真の国民であるとは言えないだろうか。

しかし、実際には、ネット予約なら、割引になる旅館やホテルがあり、
珍しい輸入CDを簡単にGETできる人たちがいる一方で、
馬鹿正直に電話をかけて予約して、何のメリットもない宿に泊まる人、
阿呆みたいに、ふらふらとあちこちのレコード屋を歩き回って、
ようやく欲しかったCDと一緒に、ついつい、いらないCDを買ってしまう人がいる。

このように、デジタルデバイドは、静かに静かに、しかし、確実に進行中なのである。

今日も、バイトの姉ちゃんが、
店長(もちろん、世の目をはばかった姿)に、
このような質問をする。
「てんちょー。その気持ちわりー虫ってさー、
まじ、気持ちわりーんだけどー、
やっぱ、そうやって、手でより分けるしかー、
ないって感じい?」
「これが一番、確実なのだ。」
そう答えるだけで、デパ屋総務庁主席研究官は、黙々と作業を続ける。

時折、あのDog・OFFの社長に、どうやって、
あの言論統制を行なっているか、
(あの店では、「ひらっひゃいまひぇ、ほんにひわ~」という言語以外、
使ってはならないようだ。)
そのあたりを、もっと教えてもらいたいくらいだった。

あるいは、この姉ちゃんは、
こんなことも言う。
「てんちょー。すいそーで、魚が沈んでるんすけどー。
ちょー、カビが生えてて気持ちわりーからさー、
取って捨てて欲しいんだけどー。」
「わかったちょっと待ってろ。」
こう答えるだけで、研究官は、無駄な説得や論議はしないようにしている。
時間の無駄になるからだ。

そんな作業をしながらも、
彼の頭は、休むことなく、思考を続けている。
しかも、その思考とは、非常に難しいことに関することなのだ。

次の新製品開発は、
台所用アルカリ整水機と兼用した熱帯魚用ろ過フィルターや、
テッポウ魚を利用したウォッシュレットを想定していたが、
リサイクルペット(ペットボトルではない)のDog・OFF社長が、
次世代小売革命と銘打った、Petショップ・Potショップ化計画の方に、
どうしても心が動いてしまうのであった。

つまり、これまでの、お客様が買えるものを探して歩く小売から、
お客様の財布の状態によって、買えるものを提供する対話型小売へと、
転換すべき時期だという。

そうした新しい世界に、転換するための起爆剤を、
我々(といっても、自分とバイトの姉ちゃん)が、
提供する。素晴らしいことではないか。

すでに、耐震偽装をしたとは言え、
メダカを改造して、記録メディアにしてしまう、
「モバイルめだか」は、完成したも同然だった。

こうした、前のテーマからの流れや、世の中へのインパクトという意味で、
こちらのほうが、ずっと、やりがいのあるテーマではないだろうか。
この方向の開発なら、社会システムが変えられるが、
今の計画では、浄水器や便器が変わるだけなのである。

しかし、いきなり、お客さんの懐具合によって、
商品表示価格を変えるというのは、
いくらなんでも、やばすぎると思ったので、
先日の会合の時、店長は正直、逡巡していた。

それを見透かしてか、Dog・OFF社長はこう言った。
「よろしおまっか、ばれへんように、ちょーっとずつやればええんですわ。
こんなんはどうでっしゃろ。前にやったことがありまんねん。
結構、いけますで。」
「伺いましょう。」

「期間限定のポイントカードでんがな。
会計1000円で、50円還元するっちゅうやつでしてな、
みなさん、一所懸命、1000円買いまっせ。」
「それなら、モバイルめだかでなくともいいのではないですか。」

「モバイルめだかやったら、電子マネーでっせ。
合計額を1000円にする必要なんかあらへんねんで。
例えばや、1000円しか持ってない人は、絶対、1000円全部は出しまへんわ。
そんな人には、そんなキャンペーンなんか、何のありがたみも効果もあらへんやろ。」
「むう。」

「そやからや、1000円しか持ってない人には、500円買ったら、
25円サービスするんや。それやったら、有効やろ。
10000円持ってる人には、5000円買ったら、1000円お得や、
とか言ってみい。あるいは、5000円のポイント付けてもええやんか。」
「そんなことしたら、商売が成り立ちません。」

「そうやろか、翌日からしか使えない。
あるいは、1W以内に使わないと、無効になる。
または、デパ屋でしか使えない。
ありとあらゆる条件をつけたらええやんか。
それでも、絶対、儲かりまへんか?
お客さんは、ぎょうさん買う。売った分だけ儲かる。」

ここで、社長は、人差し指を立てて強調した。
「モバイルめだかは、電子マネーなんでっせ。
何だってできるやないですか。
5000円買ったのに、5000円が減っていない。
そう見えるだけで、お客さんはハッピーやで。
しかし、極端な話、翌日の開店直後に無効にしてまいばええんや。」
「何と。」

たしかに、一瞬の売り買いで、大損をこいたり、大もうけが可能な、
IT社会における小売の姿とは、そうしたものではないか??
店長は、目から鱗が落ちるような洗礼を、Dog・OFF社長から、
どばっと受けてしまったのである。
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by franz310 | 2006-11-23 00:23 | どじょうちゃん | Comments(2)

デパート屋上ペットショップ店長、Dog・OFF社長と語る。その2。

b0083728_23305599.jpgそれから、
Dog・OFF社長は、
そろそろ分かったでしょう、
といった感じで、
大げさに息を吸った。


それからおもむろに、こんな話を始めた。

「だって、そうでっしゃろ。モバイルメダカなら、
電子マネーでっせ。中身を簡単にチェックできるやないですか。
普通の財布なら、覗いたりしたら怒られますが、
電子マネーなら、覗いていても、誰も気付かないでしょう。」
「しかし、それは最近のセキュリティーの考え方からすると・・。」
店長が、そんな意見を語ろうとすると、Dog・OFF社長は、
それを遮るように、声を大きくした。
「そやな、人間が介在すると、まずいでしょうな。
やけど、ぜーんぶ、機械が判断すれば、良いんではないでっか。
誰それがいくら持ってるなんて、興味ないわけですよ。実際。」

彼は自信満々でこう言った。
「いくら入った財布が歩いてくるか、それだけが重要なんでっせ。
655円しかもっていないお財布には、105円の中古犬を、
10000円入っているお財布には、7500円のリクガメを、
何のためらいもなく、ごく機械的に、一定の法則にしたがって、
プロモートすればええのですがな。」

それから、目を細めて、誘いかけるようにささやくようにした。
「いやあ、デパ屋さんのように、
技術力をお持ちの組織にしか出来ませんで、これは。
また、様々なアイテムを取り扱っている
大企業さんにしか出来ない技でんな。」
「ううむ。すべて、機械の判断でね。なるほど。」
「はっはっはっ、機械均等法というやつでっせ。ひっひっひっ。」

ここで、続けざまに社長はアイデアを披瀝した。

ここからが重要とばかりに、声の音量を落とす。
テンポも落としながら、
「よろしおまっか、表示価格も、そのお客さんのお財布ケータイ、
つまり、モバイルメダカに応じて変えてしまえばええんですがな。
そう、思い切って、プライスカードは、電子ペーパーにしたらいかがでっか?
10000円をお持ちのお客様には、300円の水草を1000円で売る。
655円しかもっていないお客様が来られた時には、
155円で売ればええ。
トータルすれば得やないですか。」
と言った。

そして、ここで声を大きめにして、
「どうでっか、このような財布に応じて、プライスを変更する。
つまり、プライスオプティマイズ技術、これが『POT』や。
次世代ペットショップは、POTショップとなりますねん。
世界初のPOTショップや。
こんな晴れ舞台を前にして、ペットショップが名乗りを上げんで、
どうするねんや、店長。革命やで、これは。
産業革命以来の大革命や。」
てな具合に、ここでやらな、あんたの度量もそこまでやな、
といった雰囲気のニュアンスを漂わせるのも忘れてはいない。

「おおう。」
いままで、500円の品しか、がんばって売ったことのなかった店長は、
7500円の品が売り買いされる、壮大な計画に呑まれて、
思わず感嘆の声を洩らしていた。

社長は、相手があっけにとられているのを見て、にやにやと笑っていた。
もちろん、そうしたシステムを確立するには、多大な投資が必要となる。
しかし、社長自身は、そんなものに金を出す気はさらさらなかった。

いま、Dog・OFFが開発しているアイテムは、
アルバイトの兄ちゃん、姉ちゃんに、均一なファルセット唱法で、
「っれしぇいめせ~。」「えりがとーごぜいめしてあ。」
の基本を叩き込むトレーニングシステムである。
これによって、全国1000店舗を統一したコンセプトにし、
卓越した企業エメージを打ち立てることにこそ、
社長のドリームがあるからだ。

この基本さえ出来てしまえば、後は、各店舗の自由裁量にまかせる。
学生の多い町には、女子学生がアクセサリー代わりに欲しくなるような小型犬
(たとえば、何たらテリア、インテリア、ばくテリア)を多く扱わせ、
老後をすごす人の多い、ゴースト化したニュータウンには、
その土地にふさわしい偉そうな犬(たとえば、ゴールドマンサックスリバー)
を売らせれば、効果があがる。

むしろ、各店長が、画一のスタンダードに迷わされず、自主的にアイデアを、
出してくれた方が良いのである。
しかし、野放図になるのは困る。
そこで、社長が考え付いたのが、アイデンティティ確立の第一声、
「っれしぇいめせ~。」なのである。

デパ屋総務庁が、社長の提示したモバイルめだかのアイデアに飛びついて来て、
国家予算で回してくれたおこぼれを頂戴すれば、鬼に金棒。

主要なエキナカの店内に、
「っれしぇいめせ~。」
の声が響き渡る日を夢見て、社長は、思わず笑顔がこぼれてしまうのであった。
しかし、ここで気を引き締めなければ、このおっさんが、
どんな方向に暴走するかわからん。
さらに、追い討ちをかけるように、こう付け加えた。

「それに、言い訳はいくらでもできるやないですか。ペットですからな。
この世に、二つと同じものはない。一律の価格にしている方がおかしいくらいや。
メダカにだって、強いのや弱いの、鳥にも、卵をちゃんと温めるのやしないのや、
いろいろおるでしょう。犬だって、ほえるの吼えないの、
猫だってネズミを取るのと取らないの、いろいろいる。
中国4000年の知恵に、こういうのがある。
『どんな色の猫でも、ネズミを捕るのが良い猫だ。』」
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by franz310 | 2006-11-15 23:39 | どじょうちゃん | Comments(2)

デパート屋上ペットショップ店長、Dog・OFF社長と語る。

b0083728_2395874.jpgところで、
デパ屋総務庁店長は、
研究者あがりであったし、
長らく、デパートの
屋上という象牙の塔から
出たことがなかったので、
ビジネスという観点からは、
武家の商法、
やはり、お役人の域を、
出ていなかったのも
事実である。

彼が考えた
ビジネスといえば、
これまで、最も成功したのが、
よくある消耗品ビジネスで、
ろ過フィルターを安く売って客を誘い、
やがて汚れて交換が必要となる、フィルターを高く売りつけるもの。

あるいは、
死にそうなメダカと、ちぎれた水草を抱き合わせ販売して、
原価構成をあいまいにするという、ごく初歩的なプロモもあったが、
これなどは、季節要因が大きすぎて、メダカの売れない冬場などは、
効果が低い。つまり、かなり大きな減収となる。

この冬場をしのぐため、
ペンギンとホッキョクグマの抱き合わせ販売も考えたが、
南極政府と北極政府にかけあって、輸入手続に手間取っている間に、
冬がすぎ、夏場になって、ようやく仕入れが済む始末。

日本の暑さに慣れていない、これら寒冷地の生物たちは、
みんな、アイスのように溶けてしまい、
この計画は、文字通り水泡に帰したのである。

これに懲りて、
落ち葉の下のテントウムシ越冬セットや、
つがいのミノムシを売ろうとしたこともあったが、
何せ、声を出すでなし、面白い動きをするでなし。
結局、自分でも世話を忘れて、全滅させてしまった。
そうした苦渋の思い出もあったのである。

そこで、夏こそはかきいれ時と、
もう、年老いて、手足がちぎれた
カブトムシやキリギリスの、
取れた手足を接着剤で修復し、
格安価格と偽って、子供だましの商売を、
どきどきしながらやっちまうのが関の山。

ところが、今回、
例の件で、「Dog・OFF」の社長から、
「金」というものの考え方を伝授され、
なるほど、と大きく首肯した。

かっぷくのよい、まるで、とんかつソースのような風貌の、
初老の紳士は、ソファーにふんぞり返って、
デパ屋店長と向かい合っていた。
これまた、定年間際の、頭の薄い店長は、
はたから見ると、落ち着きがなく、
何となく、部下のようにも見える。

「これは、マーケティングの話でよく出る例ではありますが、
ポイント制度というものが、世の中にはようありまんな。」
社長は、愛想の良い笑顔で、ソファーから身を乗り出した。
店長は、相手の偉そうな態度に負けまいと、
自慢話で対抗する。
「いや、我々も、メダカ10匹で1ポイント、
100ポイント貯めたら、ホテイソウをプレゼント、
というものを導入したことがありました。」

しかし、このはったりは、逆効果。
社長は、眉を動かしながら、ぴしりと、指を立てた。
「そこ。それが、いかんのでんがな。ホテイソウがいかんのや。
ポパイのほうれん草やあるまいし、ホテイソウやて?
ちょおっと、夢がないのと違いまっか。どうも、しみったれてまっせ。
カード会社がやっているのを、よおく、考えてごらんなさい。
ホテイソウとか、キンギョモなんていう特典がありまっか?
もっと、いいものが貰えると書いてあるでしょう。
そんなにポイントを貯められるわけでもないのにですよ。」

店長は、夢がないといわれ、首をひねった。
お役人というものには、
賄賂とか天下りとか、現実しかないので、
夢といわれてもぴんと来ないのである。
しかし、言われて見れば、カード会社は、
何だかよく分からない、ブランドの特典が多いようだ。
「なるほど、では、グッチの捕虫網とか、
あるいは、フェラガモの水槽とか・・・。」
社長は、深くうなずいて、こう言った。

「さーすが、店長。ええ線を行っておられまんな。
しかし、デパ屋さんには、もう一ひねりして欲しいところでんなあ。
最近、私は、こういうコトを考えておるんですよ。
ちょっと、考えて見てくださいね。
ここに、655円しか持っていないお客さんと、
10000円持っているお客さんとがおるとします。
さて、どちらが、105円の老犬を買っていくと思いますか?」

これが、「Dog.OFF」社長の次の質問であった。
「ううむ、残り、550円では、心細いから、
655円の人は、買ってくれないんじゃないですか。」

「ふむ、そこに、50円の激安ドッグフードも売っていたら、
いかがでしょうか。」
「ううむ、残り500円だと、ますます心細いですな。
やはり、10000円の金持ちが買うのでしょう。」
社長は、それが違う、というように眉をつり上げた。
勝ち誇ったような笑みを浮かべ、店長を見て、首を振った。

「655円しかないお客さんの方が、他に買えるものもないから、
105円の激安ドッグを買うのですよ、これが。
さらに、50円出費しても、500円余る。
こう考えると、いてもたってもいられなくなるのでんな。
そういうもんですって。
自分は、まだまだ買い物ができるぞ、と思うわけですな。
500円残れば、まんざらでもないぞと、そう思うのです。」

彼は、さらに続けた。
「ところが、一方ですよ。
10000円のお札というものは、出来れば崩したくない、
特に、たかが、105円くらいのもののために、
という抑止力が働くわけですよ。
そう、なかなか、105円のドッグを買いはしないのですわ。」
「むう。」
「だって、そうでしょう。
10000円あれば、105円のものよりも、
さっと、財布からそれを取り出して、
7500円のリクガメを買う方がかっこよいではないですか。」

「なるほど。それなら、私も、死にそうなメダカと、屑の水草を
抱き合わせて、500円というキリの良い数字にしたのは正解だったわけだ。」
「そうかもしれませんな。さすがや。やけど、このような状況を、
御社のモバイルメダカ技術を使えば、常に作り出せるわけでんな。」
「と、いいますと。」

Dog・OFF社長は、ここからが本題や、とばかりに、
にやりと歯を見せた。
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by franz310 | 2006-11-08 23:10 | どじょうちゃん | Comments(0)

クロメダカちゃん生誕の地、デパ屋総務庁の野望。エキナカ進出。

b0083728_22444591.jpgさて、ここは、
デパ屋総務庁。
われらが主人公、
クロメダカちゃんの
出生地である。

ユビキタス社会を
先取りし、電波や光回線を
駆使して、全国のメダカたちを、
遠隔操作するべく、
不気味なアンテナが
にょきにょきとその屋上に
立てられている。

「デジタル・デバイド」社会の
到来を防止するという
大義名分の旗印は美しいが、
耐震偽装を行なってまで
というのはいただけない。

クロメダカちゃんの
体内を勝手気ままに改造し、
さらには、善良なる市民に、
こうして試作した偽装メダカの
試作失敗品を売りさばき、
時には、くずのような
水草をセットでごまかして500円。

そうした合法非合法ぎりぎりの
線まで使って儲けた巨額の資金を元手に、
彼らが、次に狙う野望は何か。

彼らは、JR麩菓子日本が推進する、
21世紀の新しい駅づくり「ステーションレコンキスタ」の一環として、
ペットショップを駅構内に設けることを検討しているのである。

「KGB愛」や「NTT麩菓子日本」を、
うまいこと言って躍らせて、
情報のやりとりについては、すでに手を打ってある。

次に着手すべきは、実際の物資を搬送するルートを押さえることである。
それには、駅を利用するのが最適だ。

一方、JR麩菓子日本側も、最近では、モバイルめだかを使って、
さらに大衆から大金を巻き上げる悪徳商法を考え付いたらしい。

それは、かつて、二束三文で巻き上げた土地の上に胡坐をかいて、
「空きスペース活用事業」などと銘打って、様々な食品店と共謀し、
大量に麩菓子を陳列し、売りさばいてやろうという計画なのだ。

この「レコンキスタ」で有名なのは、
埼玉の「エチュード大見得」であるが、
エチュード(練習曲)と、意味じくも名づけられたように、
それは、この大いなる見得の第一歩であった。

お客も、ついつい、財布の紐などないから、
モバイルめだかの口を緩めてしまう。

(あまり大きな声では言えないが、そのせいか、近隣の麩菓子屋は、
たちどころに衰退し、隆盛を誇ったデパートを駆逐し、
今や、その土地のためにあるのか、その土地に寄生しているのか、
分からなくなってしまった。)

そこで、これまで、デパートの屋上にあると決まっていた、
デパ屋総務庁もまた、渡りに舟とばかりに、
ペットショップを、至急、次の「エチュード」には、
移設開店させようと考えている。

全国から集められた、おいしそうな食料品店の間に、
熱帯魚が泳ぎ、美しい南国の鳥が囀り、猫が鳴く、
次世代ターミナル。

まさしく、バラエティに富んだショップを集積した
「次世代型怪的移動空間」!

デパ屋総務庁店長の心は、早くも、行きかう人々が、
ペットショップのショーケースや檻を見て目を細め、
メダカの入ったビニール袋や、クワガタの虫かごを提げて、
楽しげに電車に乗り込むシーンを思い描くのだった。
「心地よい」「魅力的な」空間の創出。
まさしく、麩菓子日本が言っていることに、マッチした計画だ。

さらに、最近、リサイクルの「Dog・OFF」の社長と、
デパ屋総務庁店長は、話をする機会を得た。

当初、彼は、105円とかの値段を付けて、
新品と変わらないわんわんを、
チェーン店で派手に売りさばくのはやめて欲しいと、
苦情を言うつもりだった。

しかし、「そやけど、店長はん、メークで、
老犬を子犬に見せてますだけでんがな。
古いもんですさかいに、安うせんと売れまへんがな。
デパ屋さんみたいな最新のものは、扱い切れまへんよって。」
と言われ、店長も考えを変えた。

そう、デパ屋には技術力があるのである。
新製品を乱発すれば、「Dog・OFF」の老犬ごときに、
負けるわけはないのである。

モバイルめだかも完成間近である。
どじょうのブロードバンドも、特許で先行したのは、デパ屋だった。
鈴虫やカブトムシも、鮮度が重要。
さすがの「Dog・OFF」も、手を出せない分野である。

ここだけの話だが、次の新兵器は、催眠効果付きぶくぶくである。
アルカリ整水機を兼用したろ過フィルターや、
テッポウ魚を利用したウォッシュレットも開発計画に入っている。
店長は、「エチュード」進出の起爆剤として、
ふりかけにもなる金魚の餌と、
子どものお弁当にも入れられるキャットフードを用意している。

何なら、新鮮なメダカを、ワカサギの稚魚と偽って、
廉価な素材として提供してもよいだろう。
カブトムシの蜜は、しゃれたメイプルシロップのラベルにする。
これで、周りの総菜屋とも、仲良くやっていくことができるはずだ。
やはり、最後に必要なのは、技術力だなと、
店長はほくそえむのであった。
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by franz310 | 2006-11-04 22:51 | どじょうちゃん | Comments(0)

どじょうちゃん、カクテルに酔う。

b0083728_22503119.jpg「これまでの
お話から
察するニ、
トテモ意識の
高い
選ばれしい、
どじょうちゃん
ですねえ。」

お姉さんは、ようやく、話が分かる客が来て嬉しいようだった。
「デスカラ、今日はあ、特別にい、深い思想から、
お教えいたしまショウ。」

お姉さんが、
意味ありげな視線を寄越すので、
うれしいような、恥ずかしいような、
くすぐったいような感じがした。

どじょうちゃんは、
ごくりと固唾を飲んで、身を乗り出した。
すると、お姉さんは、人差し指を、
ぴしりと立てて、こう語りだした。

「そもそもですよお、
あなたも、共感していたヨウニ、
この地球は、みんなのものなんですう。
美しい緑、清らかな水の流れ、そして、豊かに広がる耕地、
これらは、互いにフカイ関連で、結ばれていて、
ドノ一つが欠けてモ、美しい祖国は、
ありえないのデスねえ。」
金髪のお姉さんは、ウォッカを飲んだみたいに赤くなって、
熱弁をふるいだしていた。

「ところがあ、
資本主義の豚どもがあ、
この大地を、かってきままに、
これは、おれのものだとお、
切り刻んでしまったのですう。」

どじょうちゃんは、
何故、こんな話を聴かないといけないかと、
ふと、疑問に思った。
もう、通信と放送の問題、
田畑と、どじょうの問題も解決方向、
それなら、長居は無用だと考えていた。

ただ、漠然と、自分がここにいる理由を、
必死で思い出そうとしていた。
ふと、「euショップ」の壁に、
「レスモ」という、ポスターが、
目に止まった。

「ところで、あの、
レスモというのは、何でしょうか。」
お姉さんは、ここで、遂に、
お姉さんが、こうした場合によく見せる、
軽蔑に満ちた微笑を、遂に見せた。

「えっつ、『レスモ』も知らないのですか。
あなたは、非常に聡明なあ、
どじょうちゃんだと思いましたが、
やはり、歴史認識ニツイテは、
ちょと勉強シナオス必要ありますね。
いいですカア、
レは、レー○ンの『レ』、
スは、ス○ーリンの『ス』、
モは、モバイルの『モ』ではないですかあ。
この、音楽機能を使いますとお、
腐敗シタ、形式主義の退廃音楽ではなくう、
組織に忠誠を尽くしたくなる、
革命歌が、通勤や通学の途中でも聴けるのですう。」


どじょうちゃんは、
何だかよく分からないので、
話題を移そうと、壁のポスターを、
いろいろ見たが、
ついに、「モバイルめだか」の広告を見つけた。
「そうだ、これを調べに来たのだった。」

どじょうちゃんは、本来の目的を思い出し、
今度こそは、馬鹿にされないように、
言葉を選んで、虚勢を張った。

「うむ、私に『レスモ』は、必要ないが、
時に、あのモバイルめだかとは、
最新の機能なのかねえ。」

「あ、あの機能は、我々の、キラーコンテンツですう。」
「キラーとは、物騒ですな。
そうした、キラー行為が行なわれていることが、そもそも信じがたい。
クロメダカちゃんも、そうやって、テロの標的にされたのである。」
どじょうちゃんが、嘆息すると、金髪お姉さんの目が、きらりと光った。
「いま、クロメダカちゃんと言いましたか。」

どじょうちゃんは、お姉さんの表情から、
すでに営業スマイルが消えていることに気付き、
ヒゲつきの口をぱくぱくさせた。
「あなたはあ、クロメダカちゃんの関係者ですねえ。」
その恐ろしい目を見ていると、どじょうちゃんは、
否定しようとしても、ぱくぱくするだけで、
何も出来ないのであった。

すると、お姉さんは、にこりと眩しい笑顔を見せると、
機嫌がなおったかのように、このように言った。
「まあ、私たちはあ、あまりにもお、親密なお話で、
ちょっとお、お話し疲れましたですう。」
お姉さんは、胸元から携帯電話を取り出して、二次元コードをぱちりと撮影した。
「こうするだけでえ、注文がデキルのですよお。」
どじょうちゃんが、目をぱちくりさせていると、
背後から、屈強な黒服の男たちが現れ、二人の向かい合う
カウンターの前に、きれいなグラスに入った、カクテルを置いて立ち去った。

「どじょうちゃん、今日は、ようこそ、
いらっしゃいましたですねえ。
とりあえず、ポータビリティ制度を前に、乾杯致しましょうかあ。」
どじょうちゃんは、頬を赤らめて、カクテルをちびりちびり飲んだ。
お姉さんは、がぶがぶ飲んだ。

「キラーコンテンツもですねえ、
高い理想のためには、時として、やむを得ませんねえ。
あの、モバイルめだかには、大衆の私財を、納める機能が、
含まれていますう。まずはあ、グランドすら無計画の前にい、
この私有財産とイウものを、整理する必要ありますねえ。」
どじょうちゃんは、頭がふらふらして来たが、
必死で、お姉さんの言うことを聴こうとした。

「ソモソモ、これは、私の曾祖母があ、
私財を投げ打ってえ、達成しヨウとしたあ、
悲願なのですう。」
どじょうちゃんは、何だか、聴いた話だと思ったが、
肝心な話を聴きそびれた。
そして、何だか、悪酔いしたようなので、
水槽に帰ることにした。
どじょうちゃんは、ふらふらになって、
水槽に戻って来たが、翌朝には、
冷たい骸となっていた。
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by franz310 | 2006-10-25 22:55 | どじょうちゃん | Comments(0)

どじょうちゃん、実行に移す。携帯電話のeuへ。

b0083728_22573459.jpgどじょうちゃんは、
モバイルめだか
計画とやらの
実態を
調査すべく、
「eu」という
携帯電話を、
牛耳っている、
「KGB愛」という会社に、
当たってみることにした。


どじょうちゃんは、
そうと決めたら、
さっそうと行動を起こした。

その雄姿を、きっと、みんなが忘れることはあるまい。

まずは、手近な所からと、
最寄のeuショップに立ち寄ったところ、
またまた、お姉さんの登場である。
しかも、すらりと背が高く、
色白で金髪のお姉さんである。
どじょうちゃんは、嫌な予感を感じた。
「いらっしゃいませえ。
お客様あ、こちらで、伺い致しますがあ。」
少々、訛りがあるようだ。

どじょうちゃんは、
ヒゲをいくぶん上向きにして、
厳かに尋ねた。

どじょうちゃんは、
この種のお姉さんが
実は苦手である。
たいがい、お姉さんというものは、
こちらが偉そうにしていると、
偉い人として扱ってくれるが、
偉くないふりをして、
能ある鷹が爪を隠すと、
調子に乗って、
バカ扱いも、度を越して、
たちまち下郎扱いを始めるものだからだ。

「通信と放送の融合について伺いたいのだが。」
どじょうちゃんは、
NTT麩菓子日本の刹那的な生き様の福助を、
この技で撃退したので、
ここでも、同じ手を使って試して見ることにした。

意外や意外。
お姉さんは、こともなげに答えるではないか。
どじょうちゃんは、この時、身の危険を察するべきだったのだ。

「それでしたらあ、安心してっ、頂けますう。
KGB愛ではあ、資本主義諸国におけるう、諜報業務やあ、
破壊活動お、 民族分子のお、敵対活動対策のノウハウでえ、
通信もお、放送もお、最終的にはあ、党の管轄下に置かれる予定ですう。」

どじょうちゃんは、2011年とか、
どじょうだ、穴蔵だと、わけの分からない話が出るかと思いきや、
そべてを総括して解決してくれる会社、
しかも、明快な思想、雄大なビジョンを、
ユートピアの如き世界観のもと、
一言で表現できる会社があると知って驚嘆した。
このような見目麗しいエキゾチックなお姉さんが、
それを、すらすらとそらんじるのである。

「では、どじょう波デジタルはどうですかな。」
「どじょう波もお、うなぎ派もお、グランドスラムの世界ではあ、
関係なくなりますう。」
「グランドスラム?」
「はい、私たちはあ、単にケーブルでのお、
トリプルプレーだけでなくう、電波も有効にい、活用致しますのですう。」

どじょうちゃんは、かくのごとき、
崇高な構想を、いまだ聞いたことはなかった。
「今だけ」とか、「そのうち廃止になる」とか、
「Ver1.0」とか、次期ウィンドウズとか、
最新のアイポッドとか、DLNAの拡張だとか、
当面のスタンダードとか、
賽の河原の石積みのような世界、
まったく、一寸先は闇のごとき、世界に嫌気がさしていたのである。

「おおお、ここでは、その、田畑も、有効に活用してくれるのですか。」
「その、とおりでございますう。
田畑もお工場もお、すべてが、有効にい、かつ、有機的にい、
全て一元化でございますう。
つまりい、組織の方で、最適、最善の形でえ、管理致しますう。
従いましてえ、お客様の方にはあ、ただただ、安心してえ、
そのシステムに乗ってえ、頂ければあ、
よろしいのですう。」

「ふむ、トリプルプレーと言いましたね。
トリプルという以上、3つですな。
通信と放送と、もう一つは、
ほう、分かった。水産業ですな。
水産業を重視すれば、どじょうとネットの共存も、
ありえない話ではない。」

トリプルプレーのケーブル!
どじょうちゃんが目をつぶると、とおく、ふるさとの風の音、
水の流れを聴くような感覚を覚えた。
どじょうと、田んぼと、ネットが、
みごとに調和した、美しい国、日本の原点を垣間見たような気がしたのである。
その美しい水田の中を、どじょうちゃんたちが連なって、
ブロードバンドを形成し、みんなのもとに、素晴らしい放送を届けるのだ。

「いやあ、それにしても、
『ひれッツ』とか言うサービスとは、大違いだ。
あれは、『放送のこた、おら知らん』という立場ですからね。」
お姉さんは、にやりと笑って、大きく肯いた。
「それはあ、まさしくう、『卑劣っつ』という奴ですわねえ。おーほほほほほ。」

どじょうちゃんは、すっかり、
グランドスラムというサービスが、気に入ってしまった。
グランドという部分から想像するに、
おそらく、土地を大事にして、水産業、農業、
おそらくは、林業のようなものまでを、
復活させる構想ではないかと思った。

しかし、まさか、スラム街を作る計画であっては、恐ろしいので、
一応、にこにこと、人当たりというか、魚あたりのいい、
お腹をこわしそうなお姉さんに聞いてみた。

「ところで、グランドスラムとは?」
「はい、『グランド』はあ、地面のコトですねえ。
それすらあ、『無』に帰する、ということですう。」
「ううむ、『グランドすら無』ですか。何となく、物騒な感じがしますな。
グランドゼロを思い出す。」
どじょうちゃんは、背筋に冷たいものが走るのを感じて、ぶるぶるっと震えた。
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by franz310 | 2006-10-18 23:00 | どじょうちゃん | Comments(0)